2007年03月14日09時09分掲載
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麻薬におぼれた二人の若い女性強盗犯 高校を卒業したばかり
米ジョージア州で二人組の若い女性強盗が、銀行の窓口係から現金を奪って逃げるという事件があった。監視カメラに映った映像では、二人は大きめのサングラスをかけ、時折クスクス笑う仕草をするなど、とても強盗とは思えない態度を取っていた。地元のメディアは、着せ替え人形として知られる「バービー」をもじって二人を“バービー強盗”と命名したほど。事件は2日後までに犯行を企てた4人が逮捕されたが、犯行は内部の窓口係と共謀したものだった。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、2月27日、アトランタから約50キロ離れたコッブ郡アクワースにある銀行バンク・オブ・アメリカの支店に、二人の女性が現れ、窓口係のベニー・アレン(22)に紙切れを渡し、現金を出すよう指示した。この間、二人は笑ったり、まったくリラックスした表情。窓口係が金を出すとそのまま店から去った。奪った金の額は明らかにされていないが、「かなりの額」だという。
警察が強盗事件として捜査を開始した。監視カメラに映った二人の女性はジーンズ姿。銀行内では、まったく動じた様子を見せていなかった。
警察は、窓口係にいたアレンが、他郡から別の事件で手配されていたのをつかみ、犯行当日にアレンを逮捕。その後捜査が一気に進展した。
事件2日後の3月1日には、警察は、ヘザー・ジョンストン(19)とアシュリー・ミラー(18)の二人の女性と、強盗を計画した首謀者であるマイケル・チャスタング(27)を逮捕した。アレンや二人の女性は、麻薬のエクスタシーやマリファナを違法に所持していた。
ジョンストンとミラーは、出身校は違うものの、2006年にコッブ郡の高校を卒業したばかり。チャスタングと、銀行の窓口係のアレンは知り合い。これがきっかけで、二人の女性を誘って銀行強盗を装った盗みを思い立ったらしい。
二人の女性は、強盗の翌日には美容院を訪れ、チップを50ドル払うなど羽振りの良さを見せた。店にいた間、二人は高級ブランド品のグッチの製品を買う計画などを楽しそうに話していたという。スタイリストが二人組の女性強盗を話の話題にしたときも、二人は動揺する様子もなく、「知ってるわ。まったくクレージーね」などと答えていた。
関係筋は、二人の女性は、内部の者と共謀して金を盗む計画を企てたため、強盗の罪は適用できないだろうと述べている。窃盗の罪に問われれば、強盗に比べて罪状ははるかに軽いものになるという。
二人の女性は、米国の典型的な中流階級の出身。ジョンストンの両親は離婚しているが、父親は、学校の職員をしている。一方、ミラーの両親のうち、母親は小学校の教師をしている。特に不自由して育ったわけでもない。しかし、二人とも麻薬に手を出したために、その後の人生が大きく狂ったようだ。
ミラーはこれまでにスピード違反や酒酔い運転で検挙されている。銀行強盗を起こしたときは、保釈の条件に反したとして手配状が出ていた。米連邦捜査局(FBI)によると、女性が銀行強盗をするのは極めて珍しい。1980年代以降では、すべての銀行強盗事件のうち女性が加わったのは5%にしかすぎないという。
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