2007年03月16日15時13分掲載
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裸にして路上に放置する悪質ぶり “カージャック”が怖い米国
車社会の米国では、ドライバーは突然襲ってくる“カージャック”に注意を払う必要がある。深夜に路上駐車していたり、交差点で止まったりすると、銃を突きつけられ、車を盗まれることも起きる。カリフォルニア州では最近、車を盗まれた若い男女が、犯人たちに連れまわされた挙げ句、ハイウェー上に裸にされて放置されるという事件も起きている。“カージャック”は全米の各地で起きており、いつ明日はわが身になるかもしれない怖さがある。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、3月6日午前3時ごろ、カリフォルニア州チノ市で、車の中にいた20歳の女性と、24歳の男性のところに、ラティーノ(中南米系)の男2人が近づいてきた。彼らはナイフで二人を脅し、女性は前部に男性は後部席に座るよう指示した。
襲われた場所は、被害者の男性の家の前。当時、男性は自分の車から降り、女性の車の中にいた。犯人は、男性が持っていた車も奪った。犯人は、その後2台の車を走らせ、コロナ市に向かった。
犯人は女性一人を含む4人組だった。コロナ市に向かう途中、犯人たちは何度か銀行に乗りつけ、二人の男女に対し、カードを使って自動預金支払機(ATM)からドルを引き出すよう強要した。合計でいくら引き出されたのかは不明。
詳しい状況は不明だが、犯人の一人は、この間被害者の女性に対し、性的ないたずらもしていた。夜が明けてきた同日午前5時半ごろ、犯人たちは、男女二人を裸同然にしてハイウェー15号線上に降ろして逃走した。
二人は、ハイウェー上を走っている車を必死で止め、携帯電話を借りて警察に通報した。盗難車の一台が、“カージャック”を追跡する無線装置「ロージャック」を搭載していた。「ロージャック」のスイッチは、警察が入れる仕組みになっているため、間もなく、盗難車の位置がわかり、二人の男性が逮捕された。警察は残る二人の行方を追っている。
他州でも“カージャック”は頻繁に起きている。ミズーリ州カンザスシティーでは3月3日午後4時半ごろ、女性が車に乗り込もうとしたところ、二人組の若者が、ペパースプレーを吹きかけて、車を奪って逃走している。
“カージャック”に遭遇したときは、抵抗せず、要求される金、車などを差し出すのが、命を守る最善の手段と警察は指導している。しかし、ミシシッピ州ジャクソンでは、銃を持った二人組の男に襲われた女性が、犯人に抵抗し、盗難を防いでいる。
3月2日の夜、トミー・ハナフォードさんは買い物をして車で自宅に戻ってきた。車から出ようと思っていたときに、二人組の男性が近づいてきて、一人が銃を彼女の頭に突きつけた。その後のハナフォードさんの行動は、警察に指示とはまったくの逆。車をバックギアに入れ、道路に向かってバックした。犯人は、銃を発砲。幸い、銃は左前部に命中しただけだった。銃声の音を聞いて近所の人が出てきたのが幸いした。誰も来なければ、再び撃たれる恐れもあったからだ。二人組の犯人は間もなく逮捕された。
事件後、ハナフォードさんは夜、自宅に戻ってくると、二人組に襲われた記憶が蘇ってきて怖いと話している。
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