2007年03月23日18時51分掲載
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外国女性との結婚やキリスト教会立ち入り認める サウジの宗教学者が説く「留学生の心得」
【東京23日=斎藤力二朗】男女の接触が厳禁されるなど宗教的、社会的な制限が何かと多いサウジアラビア人の学生は、留学先の先進諸国で羽目を外したり、そのまま居座る者が後を絶たず政府の頭痛の種になっている。そこで、同国の宗教学者が留学生たちに「留学生心得」を諄々と説いて聞かせた。それによると、(男子学生が)女性から学問、授業を受けることや外国人女性との婚姻も認めている。21日付のロンドン発行のアラビア語紙「アルクドゥス・アルアラビー」が伝えた。
同紙によると、サウジアラビア最高司法評議会議長のサーリフ・ルハイダーン師は20日に行なわれたサウジアラビアからの留学生に向けた講演で、米国やオーストラリアに滞在中のサウジアラビア人留学生に対しては酒席を避け礼拝を欠かさず行なうよう注意した。その一方で、キリスト教の教会に入ること、施しを行うイスラム教徒がいない場合にイスラム教徒以外に施しを行なうことは許されるとした。
「出身国の国家体制がサウジアラビアの政策と対立していない場合」は外国人女性と結婚することも認めた。
また、女性から学問を教わることについて、「禁止されてはいない」としたうえで、謙虚な言葉遣いをもって距離を保ち、互いに触れ合ってはならないとした。
女子留学生に対しては、頭髪を覆うヒジャブの着用を守り、イスラム教徒女性とサウジアラビア女性の良き代表者となり、男性との接触を避けなければならないと語った。
しかし、ルハイダーン師は、自国学生の海外留学に対しては基本的に「不賛成」と述べ、誰かにそれを斡旋したこともないし、息子たちに留学を許したこともないと強調。サウジアラビア国内での学習機会の拡充を希望すると表明した。
そのうえで現実に米国などに滞在する留学生には「サウジアラビア国民とイスラム教徒の真実の姿を体現し、イスラムの模範となり、(留学中の)時間を有効に活用する」よう勧告。留学期間終了後は速やかな帰国を望むと語ったという。
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