2007年04月01日17時38分掲載
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10年間同じ番号で遂に85億円当てる 米国のグループ買い仲間
米国では宝くじは、スーパーマーケットに置かれた自動販売機や、ガソリンスタンドで売られている。多額の賞金がつくのは、数字を合わせたりするものだが、コインの縁でカードをこすって、出てきた番号で、即座に賞金がわかるものまで、各種ある。金にまつわる話なので、賞金が当たっても、グループ買いなどの場合は、さまざまなトラブルが生じる。当然、仲良く分け合い、スムーズにことが運ぶこともある。今日もまた、どこかで運と欲が織り成す人間模様が展開されているかもしれない。(ベリタ通信=江田信一郎)
米カリフォルニア州サクラメントで最近、7200万ドル(約85億円)の州宝くじ当選者が出た。これは数字合わせの大口宝くじ。米国では、毎週何度か抽選が行なわれるが、一等の当選番号が出ない場合、賞金が繰り延べられるので、賞金額が膨れ上がるシステムになっている。
すぐには、当選者は名乗り出なかったが、地元紙サクラメント・ビーによると、グループ買いをしている人たちが当選者とわかった。
総勢20人で、連邦政府のオフィスで働く仲間たちだった。既に退職した人も含まれている。運良く当選したことには間違いはないが、勝利の秘密は粘りがちだ。なぜなら、彼らは10年間にわたり、同じ組み合わせ番号を買い続けてきたからだ。
▼売った店にも36万ドルのボーナス
当たりくじを買った人が、外出しており、家に残してきたくじを調べるのに時間がかかった。サクラメントで高額当選者が出たとの情報は耳にしていた。家に帰り、番号を照会し、当選したことがわかった。早速仲間に通報した。皆、信じられないと話した。
そのうちの一人は、「10年前に当たると思っていた。忍耐の問題だ」と解説する。あきらめていた人もいる。「絶対に当たらないと思っていた。まったくの驚きだ」
宝くじの賞金は分割で受け取る方法と、現金で受け取る方法がある。分割の場合、26年間という長さになる。従って、人間の寿命を考えて、大半の人が現金で受け取るが、この場合は、実際に支払われる金額は減額される。
今回の場合は、約4000万ドル(約47億円)となる。20人で等分するので、一人当たり200万ドル(約2億4000万円)を受け取る勘定だ。旅行を考えている人、住宅ローンの完済を考えている人もいる。
宝くじを売った店にも、宝くじ実施機関からボーナスが出る。この店では2000年に1500万ドル、06年には450万ドル、そしてことし3月には7200万ドルの当たりくじが出ており、今回で3回目だ。賞金額の0・5%にあたる36万ドルが払われる。
宝くじは人の人生を変える魔力を持っている。今回のように円満にことが運ぶこともあれば、トラブルが起きることもある。ペンシルベニア州では最近、カードをこすって当たったかわかるくじで、訴訟沙汰になった。一緒に買ったくじで10万ドルが当たったが、相手の女性が、一方の男性に配分しなかったのが原因。女性は、それまで男性に対して金銭的にかなり援助をしてきたので、払う必要がないと考えたようだ。
このほかにマサチューセッツ州では昨年、100万ドルを当てた宝くじをゴミ箱に捨ててしまい、拾った人との間で、訴訟になったこともある。
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