2007年04月02日10時28分掲載  無料記事
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子どもの命名にセレブ名を拝借 俳優、スポーツ選手ら人気集める

 どこの世界でも親は子どもの名前をつけるときは悩むらしい。名前に関する参考図書などを使うのも手だが、手っ取り早い方法としては、テレビや映画、雑誌などに登場するセレブ(著名人)の名前を拝借するやり方だ。米国の社会で、近年生まれる子どもたちに対してしばしば使われているのが、同時代に活躍している俳優や歌手らの名前だ。男なら「アシュトン」、女性なら「アンジェリーナ」、「リース」など、今まさに旬のセレブたちの名前が人気を集めている。(ベリタ通信=江口惇) 
 
 米政府は毎年、子どもにつけられる名前の人気状況を発表している。米カリフォルニア州の地元紙プレス・エンタープライズでは、この発表を基に、地元に住む人々の声を拾って、昨今の命名事情を記事にしている。 
 
 若い人の間では、アシュトン・クッチャーは、若手の人気男優として有名だ。TVドラマで活躍していたが、年上のハリウッド女優デミ・ムーアと結婚したことでも知られる。他に男では、「ホワキン」「ヒース」なども使われている。スポーツ界では、プロバスケットボール(NBA)の選手コービー・ブライアンの「コービー」もよく使われている。 
 
 女性では、セクシー女優として知られるアンジェリーナ・ジョリーも人気を集めている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務めたり、海外から子どもを養子にとるなど話題を集めている。女優のリース・ウィザースプーンは、恋人を取り戻したい一心でハーバード大学に入学する女性をコミカルに描いたハリウッド作品で人気を呼んだ。 
 
 ある女性は妊娠中、医者の診察を待っているときに、雑誌に目を通した。人気歌手ビヨンセの記事が目にとまった。この名前が気に入り、「ビヨンセ」の変形として、生まれた娘に「テヨンセ」と名づけた。しかし、多くの人が間違って娘のことを「テヨンセ」ではなく「ビヨンセ」と呼ぶという。 
 
 昔から、当代の人気者たちの名前をつけるのはよく行なわれている。カリフォルニア州リバーサイド郡に住むジャッキー・ハミルトンさんは、ハリウッドスターだったカーク・ダグラスの名前を借りた。その息子は現在43歳になっている。さらに遡ると、天才子役といわれたシャーリー・テンプルの名前もよく使われた。 
 
 また大きな業績を挙げた人たちの名前も人気がある。1969年7月20日に、米宇宙船アポロ11号が人類初の月面着陸に成功したが、同州ムリエタでは、その前日に生まれた赤ん坊に、3人の宇宙飛行士の名前を取って「ニール・マイケル・エドウィン」という長い名前がつけられている。この命名については当時、著名キャスターのウォルター・クロンカイト氏が20日夜のニュースで、話題として報道した。 
 
 著名人の名前を借りると、彼らが問題に巻き込まれたときに困ることもある。ある夫婦は、大のバスケットファン。息子の名前にNBAのコービー・ブライアンの名前を借りたが、彼はその後レイプ疑惑で長い間、マスコミに追い回された。ちょっと困ったと感じたが、いまさら変更はできない。「これも人生」と割り切ったという。その子どもは現在3歳。バスケットとフットボールが好きな活発な子だという。 


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