2007年04月03日00時24分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200704030024502
捕鯨問題
グリーンピース抗議船着岸できず 全日本海員組合の誤解解きたいと指摘
【アデレード2日=木村哲郎ティーグ】南氷洋で日本の「調査捕鯨」へ対する抗議を終えた環境保護団体グリーンピースの捕鯨抗議船エスプランザが1日、横浜港へ入港した。現在、埠頭の使用許可申請が済んでいないため着岸はしていない。
同船は先月末、日本近海に到着。船内の一般公開など日本でのイベント活動を行う予定であった。しかし、エスプランザの入港関連手続きを代行していた川崎市の船舶代理店に対し、全日本海員組合がグリーンピース船舶の入港業務代行に関わらぬよう圧力をかけたことから日本上陸は難航。エスプランザは八丈島沖で数日待機していた。
グリーンピース側は、一連の抗議活動の中で、環境保護団体シーシェパードと混同されて日本で報道されたことについて、シーシェパードと連携してテロ行為を行ったことはない旨の声明を出している。
グリーンピースは過激的な環境保護団体であるシーシェパードとは現在関わりを持たず、今夏に南氷洋で行われた捕鯨への抗議活動でも過激な行為はなかった。そのためグリーンピースは、全日本海員組合へは話し合いを通じ誤解を解くことに全力を挙げるという。
またグリーンピースによると、「本来、グリーンピースのようなNGOと労働組合とは、政府や大企業の行動をチェックするために協力すべき関係であると考えている」としている。同団体と全日本海員組合は、違法漁業の規制を求める共同声明を1999年に発表するなど、過去において良好な関係を築いてきたという。
日刊ベリタはこの件について、全日本海員組合の広報部及び水産部に電話で取材を申し込んだが、水産部の部長を名乗る者が、「メディアに対し一切のコメントを行っていない」と発言。発言者の名前を尋ねたところ、2度に渡り一方的に電話を切られた。
ちなみに横浜港を管理する横浜市港湾局海務課の木下信啓係長は日刊ベリタの取材に対し、横浜港としては着岸を拒否しているわけではとし、また2001年の9・11米同時多発テロ以降は国際的な海上人命安全条約(SOLAS)により保安対策が強化されているため、旅客船が碇泊する場所では一般公開などのイベントを行うことができないと述べている。
また貨物船が停泊する場所は一般人の立ち入りが禁じられているため、イベントを行うことは不可能だという。ただイベントが行わなければ3日か4日には、旅客船が碇泊してある場所に空きができ、エスプランザの着岸は可能な見通しだという。しかい着岸の申請は通常代理店を伴う作業であるため「代理店がいないと着岸は難しいのではないか」と述べ、グリーンピース側にもこの旨を伝えているという。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。