2007年04月03日17時22分掲載
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「koban(交番)」に助けられた外国人 米で目立つ日本発の記事
米国で最近目についたニュースは、安倍政権の誕生、従軍慰安婦をめぐる安倍首相の発言、北朝鮮の日本人拉致問題、それに週刊誌が書きたてた大相撲の八百長話などだ。これまで、米国のメディアの関心は経済的躍進が続く中国に偏っている感じだが、日本発のニュースも、その話題性から結構目立っている。米紙などに、日本の治安状況の良さや、地域社会に貢献する「koban(交番)」の話などが紹介されている。(ベリタ通信=江田信一郎)
街角にある交番は、巡査が駐在する場所であることは日本人なら皆知っているが、外国人には、いつになっても物珍しいものらしい。米誌「USニューズ・アンド・ワールド・リポート」(電子版)は、日本の治安がいいのは、街角に数多く存在する交番と、厳しい銃規制だと指摘している。ただし、レイプなどの犯罪件数は、日本人に面子を重んじる傾向があるため、実際より高いとの専門家の話も載せている。
交番にそのものの言及したのは、28日付の米紙ロサンゼルス・タイムズだ。ロンドンから東京に赴任したというブルース・ウォレス記者の記事だ。東京・杉並区で自ら自転車窃盗にあった話を記事にまとめている。
前段部分で、記者は東京の治安が世界の大都市と比べていかに安全かを強調している。携帯電話を公園のベンチに置き忘れても、翌日戻ったら同じ場所にまだあった話など、日本の治安の良さを紹介している。
その記者が3月下旬に駅前に置いていた自転車を盗まれた。鍵はかけていなかった。初めは自転車が撤去されたのかと思ったという。それが数日後に戻ってきた。それは交番の巡査のおかげ。立ち番の巡査が、深夜に怪しげに自転車に乗る男性に声をかけた。男性は酔っ払っており、無断で乗り回したことを自供した。
警察から記者に電話が入り、引き取りに出頭するよう伝えられた。自転車は無事戻ってきた。記者は、警察が自転車一つにかなりの時間を割いて解決に当たる姿勢に驚きの眼差しを向けている。
ブログの「americanthinker.com」に、「日本式の法と秩序」と題する短文が掲載されている。ロサンゼルス・タイムズの記事を引用しながら、日本の文化的価値感に言及している。日本では小銭を拾っても、親は子どもに交番に届けさせる。これは子どもに他人の財産の大切さを教えるためだと述べている。
日本の治安状況がいいことは事実だが、だからといって凶悪事件がないわけでない。最近、千葉県市川市のマンションで、英会話学校講師の英国人女性が殺害されたが、欧州のメディアは、大々的に報道している。英BBC(電子版)には、「外国人女性は日本で安全なのか」と記事も載っている。米国ではAP通信が配信している。
短文「日本式の法と秩序」でも、英国人女性を殺害したとみられる容疑者が「マンガ」に凝っていたと取り上げ、日本では女性に対するあからさまな暴力描写が多いマンガが人気を得ていると指摘している。外国人は、立派な紳士が、この種のマンガを電車の中で読みふけっているのを見てショックを受けているとも書いている。しかし、女性に対する暴力犯罪は、ニューヨークやロンドン、パリのほうがはるかに問題だと述べている。
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