2007年04月04日19時44分掲載
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シンガポールでフィリピン人メイドを恒常的に虐待か まともな食事も与えず?
【星日報特約4日】シンガポールに出稼ぎに行く数万人単位のフィリピン人メイドの中に虐待されている者があるという。地元英字紙ストレーツ・タイムズはこのほど食事も満足に与えられずに働かされている具体的な事例を挙げて問題提起した。
同紙によると、あるフィリピン人メイドは雇用主からパン一切れ、おかゆ一杯すら与えられなかった。このようなケースは少なくないという。インスタント麺しか与えられないため、雇い主の子供から食べ物を奪ったとして、殴り殺された事件も発生。被告に先ごろ下された判決は、18か月半の禁固刑とムチ打ち刑12回だったと報道されている。
健康促進庁のウェブサイトによると、18歳から30歳の体重54キロ程度の女性が通常必要とするカロリーは一日2100キロカロリー。水、粥やパン一切れでは250キロカロリーにすぎない。
雇用主はメイドの仕事ぶりを不満に思うと給料を下げたり、食事を減らしたりする。しっかり者の良妻と言われるタイプの女性さえ、ストレスでメイドに八つ当たりするケースもよくあるとされている。妻からの反感を恐れ口出しする夫はすくないという。
だが、責任は雇用主側だけにあるのではない。「文化の違いも原因の一つ」とメイド斡旋会社関係者は指摘。フィリピン人のメイドの場合、朝食は米を食べる習慣があるので、パンでは満足しないという。
朝食は一切れのパン、昼はお椀半分のおかゆ、夕食はなし。あるメイドの一日の食事だった「犬の方がよっぽどいいものを食べている」。飢えで苦しむメイドらの悲痛な言葉として紹介されている。
現在、虐待されたメイドの「駆け込み寺」施設で帰国待機している女性(30)は、雇用主がパン一切れ、マヨネーズやピーナッツバターの量まで朝晩しっかり確認していたと語ったという。
働きだして6週間で、70キロあった体重が52キロにまで激減。昨年末、逃げ出したという。同紙の取材に「女主人はきちんと仕事をしていないと言って満足な食事を与えなかった。空腹で倒れたこともある」と答えている。
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