2007年04月23日16時42分掲載
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橋本勝21世紀風刺画日記
第44回:世界はいまだに無法地帯だから
近年、あまり流行らなくなったとはいえ、米映画といえばやはり西部劇。それは「フロンティア・スピリッツ」「自分の身は自分で守る」といった米国人の精神のバックボーンを作っている。市民が銃を持つ権利は憲法で保障されているのである。だから、32人が殺されたバージニア工科大学での無差別大量射殺事件のようなことが起きても、決して銃規制に向かうようなことはない。それどころか、学生が銃を持っていれば犯行を防げていただろうなんていう意見が出てくる始末だ。さらに米国は、正義は力によってこそ守られるという西部劇もどきの論理を、米国内だけでなく世界で展開しているのだから困ったものだ。世界は未だ西武の辺境の町のような無法地帯。だから米国は、正義を実践する保安官という役割を担わなければならない。特定の国を「ならず者」と名指しする傲慢さ、そして「敵」を攻撃して殺戮するのも、西部劇でおなじもの決闘シーンの再現なのだ。この銃を核に置き換え、21世紀の今日でも時代遅れの西部劇は進行中なのだ。(橋本勝)
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