2007年05月01日10時18分掲載
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中東
イラクで増える影の米軍部隊 米軍事会社の傭兵が正規兵に匹敵する数に
先のコラムで、現在の米国会と大統領と間の、軍隊撤退期限付き補正軍事予算についての確執について述べた。その結果はまだだが、立法府の方が譲歩する、ということは大統領の思いのままということになるらしい。ところが、民主党の主張が通って期限つきの予算が決まるとしても、イラク戦争は終息しないらしい。それは、大量の影の軍隊が実働していて、それにはこうした法規は適用されないからである(J. Scahill、ZNET 2007.4.30)。(落合栄一郎)
ほとんどイラク戦の最初から、米国は私企業の傭兵会社(Blackwater社、KBR(悪名高いHalliburton社の子会社など)から傭兵を雇っていて、後方支援(食糧/兵器の輸送など)を担当させていたのであるが、正規の兵士が不足してきた現在では、12万6000人(正規兵数に殆ど匹敵)もの傭兵がおり、そのうちのかなりの数が戦闘や要人の保安などについているそうである。彼らの間の死者は、正規の統計がないので、正確には分ってはいないが、すでに770人を下らないそうである(これを加えると、米軍兵士の死者はすでに、4千を超えている)。
これらの会社は、イラク戦でうけにいっており、ぼろ儲けをしている。 Blackwater社の社長は、保守派のキリスト者で、大統領選出に多大の財政援助をした。また会社幹部には元CIA職員や退役軍人や諜報機関員が多い。こうした会社は私企業であるため、情報公開も免れ、内容は判然としない。しかも戦場での失敗なども、通常の法規が適用されない。いいこと尽くめである。軍事予算がつく限り、彼らは、正規軍とは別にイラクに逗留し、やりたいこと(または政府からの密令)を遂行できる。
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