2007年05月06日09時49分掲載  無料記事
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大産油国UAEが太陽エネルギーに本腰

 膨大な石油埋蔵量を誇るアラブ首長国連邦(UAE)だが、石油への依存度軽減を図るために首都アブダビで太陽電池パネルの生産などを計画している。さらに大手メーカーに対し、太陽エネルギー関連技術の開発を促している。計画には巨費が予想されるが、石油価格の上昇に伴なう歳入の増加でカバーするという。4月17日付のミドル・イースト・オンラインが報じた。(齊藤力二朗) 
 
 アブダビ未来エネルギー社はこのほど、3・5億ドルの費用で100メガワットの太陽エネルギー発電施設を建設する計画を発表した。政府の支援も受ける。同施設は消費ピーク時の国営電力網への負荷を軽減するため500メガワットまで生産を増強できる。太陽発電所の建設は、専門の外国企業を対象にした入札で決められる予定。 
 
 研究問題に関してアブダビ未来エネルギー社は2月末、米国のマサチューセッツ工科大と提携し、アブダビ首長国政府がエネルギー・センターとして支給した面積6平方キロの「マスダル」工業地区に「マスダル科学技術研究所」の設立を計画していると発表した。 
 
 アブダビ未来エネルギー社は、向こう2カ月で太陽電池パネルの大手メーカーと契約を結ぶ予定。太陽エネルギーに加えて風力エネルギーの利用も考えており、海岸から15キロ離れた複数の地点で調査を行なっている。今後9カ月間でUAEの風力地図を作成するという。 
 
 UAE環境グループのハビーバ・ムルイシー会長(女性)は、「国家の指導者が新エネルギー開発の政策を採ることで奨励化につながる。エネルギー部門における素晴らしい傾向だ」と歓迎する。 
 
 しかし、経済発展の最中にあり地価が高騰しているUAEで、太陽電池パネルと風力発電の機器を設置する用地確保が可能かという疑問が残るが、環境保護活動家のムルイシー会長は、用地確保は可能と信じている、と語った。 


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