2007年05月15日16時39分掲載
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沖縄/日米安保
海自・掃海母艦「ぶんご」紀伊半島沖で待機か 沖縄・辺野古では市民による24時間監視が続く
沖縄に直行するはずだった海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が紀伊半島沖で待機しているとの情報が15日昼、沖縄から発信された。現地運動体は一時、13日に沖縄島東海岸中部勝連町の米軍基地ホワイトビーチに接岸したとの情報を発信、翌14日にで未確認情報であることが判明、取り消した。その後行方がわからず、15日昼、紀伊沖にいることが判明、との情報が発信された。那覇防衛施設局の移転施設をめぐる事前調査が行われる名護市辺野古では、基地移転阻止を訴える市民グループが24時間体制で監視を続けている。(大野和興)
「ぶんご」の行動が確認されないことから、現地ではさまざまな情報が飛びかっていた。ブログ「辺野古から緊急情報」は15日朝の段階で次のように書いていた。
「速度を落として今晩ぐらいに沖縄に着くように航行している。もしくは明日調査強行の際に直接辺野古に現れる。もし本当に来ないとすると母港の呉に戻っているか、横須賀に引き返した。とにかくマスコミも一切情報をつかんでいないようです」
15日昼になって、やっと紀伊半島沖に待機していることが確認された。当初地元沖縄のメディアは13日には沖縄に到着と報じ、その後『琉球新報』が13日付けで「14日にホワイトビーチ(うるま市)に入港予定」と報じていた。メディアもまた「ぶんご」の不可解な行動に振り回された感がある。
なぜこんな行動をとったのか。ブログ「辺野古からの緊急情報」は次のように観測している。
「(ぶんごの動きには)行動として非常に不自然なものを感じていました。もしかすると米軍再編特措法の国会審議・通過を待っているのではないかという情報があります。この法案が 成立してしまえば憲法を含む各法律や、自治体の権限をも越える力が発動されてしまいます。事前調査に自衛隊が関わるとみていましたが、ここに来て最悪のシ ナリオが浮かび上がって来たことになります。つまり『アセス無しでいきなり工事着手』という事態が十分起こりえることになるのです」
辺野古では、自衛隊の動きをよそに、移転阻止を掲げた市民グループの監視体制は日々続いている。
ブログ「基地建設阻止」(http://henoko.jp/fromhenoko/)はその模様を次のように伝えている。
「以前座り込みをしていたメンバーたちが何人も大きな荷物を抱えて戻って来ていて心強いです。事前調査のためには大潮の珊瑚の産卵に合わせて機材を設置しなければならないため、施設局は少なくとも今月末までには作業を終了していなければならない計算になります。大きな力で作業を強行して来ることが予想されます。気を引き締めて阻止行動に関わっていかなければなりません」
14日には、辺野古で500人が参加しての集会が開かれた。13日の嘉手納基地包囲行動や、沖縄の本土復帰記念日(5月15日)にあわせて行われた平和行進に参加した人たちが駆けつけたものだ。同じ米軍再編でたたかっている韓国やフィリピン、グアムからも参加した。
『沖縄タイムス』5月14日夕刊は「参加者らは代替施設建設予定地の海域を見渡しながら、「新基地建設反対」「ジュゴンの海を守れ」などとシュプレヒコール。現地で阻止行動を続けるヘリ基地反対協や平和市民連絡会のメンバーらとの連帯を誓った」と報じた。
15日も朝から座り込みと監視が24時間体制で続けられている。カヌー隊と船も朝から沖合に出て監視に入った。防衛施設局は復帰記念日の15日には混乱を避けたい意向で、16日以降の機器設置を予定している、というのが地元メディアの観測だ。
(写真はブログ「ちゅら海を守れ!沖縄・辺野古で座り込み中!」(http://blog.livedoor.jp/kitihantai555/)から)
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