2007年05月21日02時50分掲載
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仏の新党「民主運動」が535選挙区で候補者擁立 当選数は未知数
フランスで人気のある政治家フランソワ・バイル氏が党首を務める新党「民主運動」は18日、フランス通信に対して、6月10日、17日に行われるフランス下院議会議員選挙(定数577)で535の選挙区に同党の候補者を擁立すると発表した。ただフランスは小選挙区制のため、どの程度当選できるかは未知数だ。(及川健二)
候補の性別は335人が男性で、200人が女性だという。調査会社のTNS−Sofresが4月25、26の両日に有権者1000人を対象に電話で行った世論調査によれば、政治家の好感度ではバイル氏に好感を持つと回答した人は65%で1番人気、2位のニコラ・サルコジ新大統領の56%、3位のセゴレーヌ・ロワイヤル氏の52%を引き離している。民主運動は党首の人気を追い風に、議席の大幅、拡大を狙う。
「(新党の前身の)フランス民主連合(UDF)が1978年に結成されて以来、最多の候補者となる」と同党選対責任者のエリック・アジエール氏は胸を張る。UDFが2002年の下院選に擁立した候補は217人で、今回はその倍の候補を立てる。
約40の候補が緑の党や環境政党「キャップ21」を離れて同党から出馬するという。UDFに所属する現職の下院議員29人の内、新党の公認を得るのはわずかに5人、推薦を得るのが2人のみ。残りの議員はサルコジ与党の「国民運動連合」の公認で出馬する見通しだ。
調査会社のイフォップが5月10日、11日に有権者965人を対象に下院選について行った調査では、37%の回答者が6月10日に国民運動連合の候補に投票すると答え、社会党の候補に投票すると答えた人が2番目に多く28%で、次が民主運動に投票する人の14%で、4位の極右政党「国民戦線」は7%だった。
ただ、下院の選挙制度は1人のみが当選できる小選挙区制のため、イフォップは民主運動の獲得議席を0〜8議席と予想する。
民主運動はパリ市内で24日、総決起集会を開く予定だ。バイル氏は「今春のフランス大統領選挙で私は682万0914票(18.57%)を獲得した」と述べ、18日までに党員が10万人に達したといい、新党が躍進すると強気の姿勢でいる。
入党者が殺到し風に乗る民主運動は、はたして、1969年以来続いている2大政党制の壁を打ち破り、第3極を形成できるのだろうか。
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