2007年05月21日16時37分掲載  無料記事
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米軍基地で動画共有サイトへのアクセスを遮断 兵士から不満の声

  【コングレス(米アリゾナ州)20日=マクレーン末子】イラク戦争開始後、従軍兵士たちは、米国にいる家族や友人へ、戦地での生活を伝える手段として、米軍のコンピューターなどを使って「YouTube」や「MySpace」などのサイトを利用してきた。しかし、米国防総省は最近、治安上の理由などから兵士たちのこれらのサイトへのアクセスを遮断する措置を取った。 
 
 遮断理由は、軍事情報が不用意に抵抗勢力らに流れることを食い止めるためのほか、軍の回線容量の不足とされている。また軍は先月、兵士たちのブログにも制限を加え、ブログは当局の許可が必要との規則を策定した。 
 
 これに対し、兵士たちは今回リストに入っていない動画サイトで、メデイアには現れないイラクでの画像を依然送り続けている。 
 
 米メデイアによると、今回遮断の対象となったのは、米最大の動画共有サイトの「YouTube」や、ソーシャルネットワークサイトの「MySpace」を含む13のサイト。 
 
 これらのサイトの中でも、「YouTube」を利用してきたのは、兵士たちだけではない。昨年以来、イラク武装勢力と米軍は、それぞれ宣伝ビデオを同サイトに投稿してきた。武装勢力は米軍爆撃成功ビデオを、米軍はイラク市民と友好的な米兵のビデオといった具合だ。 
 
 今回遮断されたサイトは、多くの画像を含むため一度に多くの兵士がダウンロードすることで、軍の回線容量能力に打撃を与えるといわれる。しかし、兵士たちが、自分のコンピューターからアクセスするには問題はないとしている。しかし、イラク従軍兵士のほとんどは、コンピューターを持参していなく、基地内のコンピューターを使用しているのが実情である。 
 
 この軍の決定に対し、「YouTube」側では、軍の説明には納得がいかないとしている。遮断されたサイトにはゲームサイトは含まれていない。軍専門家は、回線容量に問題があるのなら、なぜ軍は多くの画像を含むゲームサイトへのアクセスを遮断しないのかと疑問を投げかけている。 
 
 先月、軍は兵士のブログや電子メールに関しての規則を新たにした。それによると、「ブログ更新、ネット上での掲示板上のコメント、家族へ送るメールまで上官によって検閲」とある。ネット上で通信を楽しんでいた兵士たちの失望は大きく、今回の人気サイト遮断はそれに追い討ちをかけることとなった。 
 
 しかし、アクセス遮断のリストには入っていない動画サイト「LiveLeak」には、今だビデオを投稿している兵士たちがいる。 
 
 中でも、16日付の「モスク爆撃」ビデオはそのアクセス数が5万を超え、ブロガーの間で関心を集めている。ビデオは、イスラム教徒にとって聖なる場所であるモスクが、爆撃音の後一瞬にして崩れ落ちる様子を映し出している。大きな笑い声とともに、「モスクは総崩れしたよ」という言葉が聞こえる。 
 
ビデオ「Mosque Vs F-18 」 
http://www.liveleak.com/view?i=311_1179355691 


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