2007年06月01日16時44分掲載
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司法に圧力かけていないとマレーシア首相
マレーシアの連邦裁判所(最高裁に相当)は5月30日、イスラム教からキリスト教への改宗の公式確認を求めていたマレー人女性リナ・ジョイさん(42)の上告を退けた。連邦裁は「改宗はイスラム法に関連する事項で、イスラム法廷が管轄している。民事裁判所は干渉できない」との理由を述べた。(和田等)
リナさんは、キリスト教徒の男性と婚約し、20代でキリスト教に改宗した。しかし、身分証明書に「イスラム教徒」と記載されたままだったことから、国民登録局に削除を求める裁判を起こしていた。下級裁判所がこの訴えを退けたため、リナさんは連邦裁に上告していた。
今回の判断についてイスラム教国でもあるマレーシアでは政府が裁判官に圧力をかけて出させた政治的なものだとの声も上がっている。
アブドラ首相はこうした声に対して31日、「あくまでもこの決定は連邦裁の裁定であり、政府が裁判官に圧力をかけたというようなことはない」と反論した。地元各紙が報じた。
外国のメディアの中には、マレーシアはキリスト教を否定したと報道したところもあった。首相は「マレーシアはイスラム教を国教にしながらも多宗教の共存と信教の自由をうたっている。キリスト教を否定したとの報道はおそらく無知からきた報道だろう」
「もし、マレーシアのことをわかっていてそうした報道を行なったのであれば、確信犯的『悪意』のこめられた報道と言わざるをえない」と述べた。
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