2007年06月03日10時53分掲載  無料記事
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破天荒な個性で選挙に臨む黒川氏 都知事選以降、逸話続々 

 今夏の参議院選挙に東京選挙区から出馬する国際的建築家で「共生新党」の黒川紀章・党首に対して、政策や主張でなく奇抜なキャラクターの方に関心が集まっている。妻が女優という職業柄か、最近は夫婦関係に焦点をあてた週刊誌記事も掲載された。夫婦関係はともかく、黒川氏は、これまで奇抜な行動でマスコミをにぎわせている。(及川健二) 
 
 「週刊新潮」は今週号で「『若尾文子さん』に家から追い出されちゃった『黒川紀章サン』」と題する記事を掲載した。 
 
 同記事によれば、妻で女優の若尾文子さんが住まう自宅に黒川氏は居住しておらず、自宅と目と鼻の先のホテルに長らく滞在しているのだという。「週刊新潮」は取材の結果、「どうやら黒川サン、一時的なのかどうか、若尾さんに家から追い出されちゃった恰好なのだ」と結論づける。 
 
 真偽はさておき、黒川氏は東京都知事選出馬後、ユニークな行動が目立った。2月22日、都知事選挙に立候補を表明した記者会見では「明日から釣りで徳島に行く」「投票日はパリにいます」と出馬が本気なのかどうか疑わせる発言を連発した。 
 
 選挙期間中の3月30日には秋葉原のメイド喫茶を訪れ、「だんな様、お帰りなさいませ」の出迎えに満面の笑みを浮かべた。メイド嬢に「かわいいねえ」と連発し、「『萌え』は日本の誇るべき文化だと痛感した」と発言した。選挙戦最終盤の4月5日にはヘリコプターをチャーターし、八丈島を訪問した。黒川氏は到着するなり趣味の釣りをした。 
 
 しかし、釣り糸はピクリとも動かなかったため激昂して、予定していた遊説を中止、場所を移動して釣りに再挑戦した。 
 
 計2時間半かけたが、けっきょく一匹も釣れなかった。黒川氏は魚が「買収に応じず、金満政治に反対の姿勢を示した」と意味不明のコメントを発表した。昼食には生ビールを飲み、ほろ酔い気分になったのか、訪問を予定していた青ケ島行きをドタキャンし、来訪を待っていた村長を愕然とさせた。 
 
 選挙戦の最終日には、街頭演説をする石原慎太郎・都知事のもとへ電撃訪問し、演説会場近くで知事の弟である故・石原裕次郎のヒット曲「銀座の恋の物語」を、音を外しながらハンドマイクで熱唱した。そして、「慎太郎!オレの方が裕次郎よりうまいということが分かったか!」と絶叫した。 
 
 渋谷区長選挙に立候補した宅八郎氏の応援に駆けつけたときは、3時間遅刻して到着した。秘書の弁では「クルーザーに乗っていた」とのこと。宅氏の選対関係者は「応援は有り難かったのですが、『オレは参院選に出馬して議員になって総理大臣になる』と突然、発言して周囲を驚かせました。黒川さんは天才・奇人なんだなあと痛感しました」 
 
 黒川氏の行動は常に「想定外」で、誰にもとめられないようだ。黒川氏にインタビューを申し入れたあるジャーナリストは「黒川さんの掲げる『共生の思想』について具体的にお聞きしたいと取材を申し込み、インタビューの日時・場所を指定されたのですが、直前になってドタキャンされました。黒川さんは『常識』という範疇には収まらない人なんでしょうね」と語っている。 


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