2007年06月03日11時02分掲載
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“刺客”に敗北した小林前衆院議員が巻き返し狙う
郵政民営化反対の急先鋒で、2005年総選挙で刺客第1号として小池百合子・前環境相が送り込まれ、惨敗し議席を失った小林興起・前衆院議員が国会に返り咲くべく今夏の参院選で「国民新党」の比例区から出馬することが5月30日、決まった。しかし、苦戦は免れない状況にあるという。(及川健二)
郵政民営化に反対し自民党を離党した国会議員らと共に田中康夫・長野県知事(当時)を代表に立て、「新党日本」を結成し、小林氏は代表代行に就任した。
落選後も同党幹部として活動してきたが、2006年10月末に突如、新党日本を離党し、国民新党に入党した。小林氏の関係者は移籍の背景について「全国特定郵便局長会が新党日本を支援せず、国民新党を支援することを決めた。(小林氏は)その支援が必要と判断したのだろう。また田中氏が長野県知事選で落選したことも影響している」と話す。
小林氏の妻である奈良明子・渋谷区議会議員(当時)は今春の統一地方選挙で落選し、ビリから2番目の得票という大惨敗だった。夫婦揃って浪人中の身となり、小林氏は次の総選挙を待つことなく、今夏の参院選で国政に復帰する決断をした。
ただ、小林氏の前途は明るいものではない。
全国特定郵便局長会は同氏の支援を決定していない上、小林氏を全面支援する大組織はいまのところない。それに加え、国民新党からは郵政民営化に造反して離党した人物など衆院議員経験者が比例区ですでに6人公認されている。
民主党関係者は次のように語る。
「総選挙の得票数からいっても、国民新党が比例で当選させられるのは、2〜3人程度でしょう。小林さんは知名度があっても、『守旧派』というイメージが払拭できずにいる。大組織が支援をしない限り、当選は厳しいでしょう」
前回の総選挙に続き、小林氏にとって今夏の参院選も厳しい闘いになりそうだ。
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