2007年06月10日07時57分掲載  無料記事
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根津教諭の「君が代」拒否

<停職6ヶ月「出勤」日記・10>君が代処分を知らない都民が多い

6月6日(水) 
 
 南大沢学園に。登校する生徒たちを挨拶で迎えている中、私が「おはようございます」と言うと、「お名前教えてください」と近寄ってきた生徒がいた。プラカードの名前を指で指して自己紹介し、続けて、「あなたのお名前を私に教えてくれますか」と言うと、「ABです」とにっこりして教えてくれた。認めたよ!ってことかな?と勝手に想像して楽しくなる。 
 
 生徒の登校に混じって、とっても親しみのある笑顔の、どこかでお見かけした覚えのある男性の姿が目に入った。こちらにやって来られる。「はて、どなただったか?」と記憶をたどりながら、私も男性に向かって2、3歩、歩を出した。「Kです」と名乗られて、ああそうだったとわかる。「君が代」処分を受けたKさんだった。彼も、私の横で登校する生徒を、笑顔と元気な挨拶で迎えてくれた。 
 
 車が止まり、スーツ姿の男性が出てこられた。目で追っていると私の前で止まられ、「がんばってください」とおっしゃって、私に握手を求められた。私がここに立っていることを知り、通勤途上に立ち寄ってくださったのだとおっしゃる。お心遣いに感激する。 
 
 今朝も一人の保護者がプラカードの前で立ち止まり、読んでいらっしゃった。近寄って名乗り、説明をすると、「こんなことがあるんですか」と驚かれた。まだまだ、東京の学校で起きていることを知らない方が多い。 
 
 今日は訪問者が多数。早朝からいらしたKさんの他に、Sさん、Mさん、Tさん。校外学習に出かけ、あるいは帰って来る子どもたちに声をかけながら、Kさんとじっくり意見交換ができて、濃密な時間を持てた。下校時は、Tさんが持参したギターでクラッシックを奏で、それをバックミュージックに、子どもたちに「さようなら」と声をかけた。 
 
6月7日(木) 
 
 鶴川二中へ。先週「がんばれ」と言ってくれたCさん、今朝は、3人連れでかなり遠くから大きな声で「ねずみー」と呼び、近くに来ると「戻ってきてよ。もう、戻れないの?」と言う。そして、「おれたちだけかもしれないけど、戻ってきてって、言うのは」と付け加えた。思い込まされていた何かが氷解しつつあるのかなと想像しながら、うれしく挨拶を交わした。 
 
 「がんばってください」「ご苦労様です」といつもの何人かが、今朝も気持ちを伝えてくれた。 
 
 今朝もジョギング帰りのDさんが立ち寄られた。「こんな処分よりももっとやることあるのにねえ。石原都知事は何を考えているんだろうね!」とおっしゃる。しばらくおしゃべりをし、「がんばってください」と言って帰っていかれた。 
 
 学区にお住まいのKさん、Yさんが立ち寄ってくださった。とっても気持ちが通じ合うお二人とのおしゃべりは楽しく、勉強にもなる。もう少しおしゃべりを続けたかったが、午後の予定があったので、早くに引き上げた。 
 
 午後は大学の講義で話しをした。話をしていて、何度も学生と目が合った。よく聴いてくれたような印象を受けた。 
 
6月8日(金) 
 
 都庁第一庁舎前でチラシ配り。今朝は、「都合がつかない」という連絡が数人から入っていたので、心配していたところ、新しい方の参加もあり、いつもより少ないながら、10人の方が参加してくださった。本当にありがたい。 
 
 マイクを持って「来春『君が代』で、私を免職にさせないよう、お力をお貸しください。都教委、都庁の中から反対の声をあげてください」と訴えると、私に視線を向ける方が何人かいらした。聴いてくださっている方に、私の、そして私たちの気持ちが届いただろうか・・・。 
 
 その後、八王子に戻り、10日の「『君が代』解雇をさせない6.10集会」で使う資料の準備を、みんなで行なった。 


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