2007年06月18日17時20分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第52回:21世紀、世界はまた新冷戦時代に突入した

 1980年代初頭、ソ連がアフガニスタンに侵攻、米ソの関係は危機的なものに。ソ連を「悪の帝国」と決めつけたレーガン米大統領は、核攻撃に備えるためのSDI計画をぶち上げた。宇宙に配備したレーザー兵器が、飛んでくる敵の核ミサイルを破壊するというスターウォーズもどきの構想である。これは新たな軍拡競争を呼び、その膨大な軍事費がソ連崩壊の一因ともなる。 
 
 さて、歴史は繰り返すというが、今、ブッシュ米大統領が熱心に進めるのがミサイル防衛。北朝鮮の核に備えるためということで、日米が協力して進めている。そしてヨーロッパでも、イランの核から守るということで、チェコとポーランドにMDの拠点を作ろうと計画。これに対し、ロシアのプーチン大統領が猛反発。そんなことをするのなら、核の狙いを再びヨーロッパに向けると発言し、新たながん核競争になりかねないと牽制した。なにやら20世紀、核で対峙しあった冷戦時代の再現みたいになってきた。MDがはたして現実に役に立つにかという疑問もさることながら、核を核で防ぐという考え方をいつまでたっても止めることのできない、ヒトという生き物の愚かさには絶望的にならざるを得ない。(橋本勝) 


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