2007年06月29日13時05分掲載
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米女性キャスターがヒルトンさんの原稿破る 過熱報道の中で
服役していた人気タレント、パリス・ヒルトンさん(26)が26日出所し、過熱気味とも思える米メディアの報道が目立った。この中で、ヒルトンさんの釈放の記事を読み上げるのを拒否するテレビ局の女性キャスターも現れた。このキャスターは、生番組の最中に、ヒルトンさんの記事を読むのを拒否した後、原稿を破った。この模様は、ただちに動画共有サイト「YouTube」に投稿され、2日間でアクセス数は25万、コメント数は1000を超えている。(米アリゾナ州コングレス・マクレーン末子)
ヒルトンさんは米ホテルチェーン大手のヒルトン創業者の一族。保護観察処分中に飲酒運転をしたとして、45日間の服役を宣告され、カリフォルニア州ロサンゼルス郡刑務所に服役。しかし、23日間服役した後、26日に出所した。
記事を拒否したのは、MSNBCの番組「モーニング・ジョー」の共同キャスターを務めるミカ・ブレジンスキーさん(40)。元共和党下院議員で、もう一人のキャスター、ジョー・スカボロロー氏との掛け合いの中で起きた。ブレジンスキーさんが、ヒルトンさんの釈放の記事を読み上げようとした際、スカボロロー氏が「あー、もうジャーナリストじゃない」と茶化すと、ブレジンスキーさんは「このニュースは嫌いなの」と言って、読むのを拒否。
原稿を取り上げ、ライターで燃やそうとしたが、ライターは発火しなかった。ブレジンスキーさんの隣にいたもう一人の男性アシスタントが、あわてて何度か制止しようとした。その後、ブレジンスキーさんは、原稿を切り裂き、ヒルトンさんの関連原稿をシュレッダーに放り込んだ。
ブレジンスキーさんは、原稿を破りながら「プロジューサーは、この話(ヒルトン出所)をトップニュースにした。彼は、私の言うことを聞こうとはしない。なぜこれがトップニュースになるのかわからない」と言った。
ブレジンスキーさんは、カーター元大統領時代に、大統領補佐官(国家安全保障問題)を務めた高名なブレジンスキー氏の娘。
放送後、素早くこのビデオクリップは、ネット上を流れた。「YouTube」内のコメントのほとんどは、「よくやった。ミカはヒーローだ」と、一言でブレジンスキーさんを称えている。
「イラクや他の大事なニュースがあるのに、なぜヒルトン出所がトップニュースになるのか。誰がヒルトンを見たいと思っているのだ。主流メデイアは、とるに足らないニュースを流し続け、米国人を社会的に無知にしようとしている」といったコメントも見られる。
また、プロジューサーの意向に反した行動をブレジンスキーさんがとったことで、「もし解雇されたら、MSNBC見るのをやめよう」「MSNBCへ解雇しないよう、手紙を書こう」といったコメントもある。
しかし、シュレッダーが手際よく、キャスター席のそばに置かれている点などから、視聴率を上げるためにMSNBCが演出したのでは、とのうがった見方もある。
一方、ヒルトンさんは、27日の米テレビCNNの長寿人気番組「ラリー・キング・ライ ブ」に出演し、出所後初のテレビインタビューに応じるなど、メディアの世界でヒルトン旋風を巻き起こしている。
MSNBCの番組「モーニング・ジョー」のビデオクリップ
http://www.youtube.com/watch?v=6VdNcCcweL0
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