2007年07月06日13時19分掲載
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米国国旗は「メイド・イン・USA」のものに 中国製などが増え危機感
7月4日の独立記念日には、多くの家庭で国旗が揚げられた。国旗は愛国心の象徴と考えられ、多くの州では国旗に敬意を示し国旗冒涜禁止法を施行しているほどだ。しかし、肝心の国旗自体が、外国製であることも多く、これに対する反発も芽生え始めている。ミネソタ州では最近、国旗は「メイド・イン・USA」であるべきという法案が可決されている。他州でも追随する動きが目立っている。(米アリゾナ州コングレス・マクレーン末子)
今回ミネソタ州で可決された法案は、州内で販売される国旗はすべて米国製であるとするもので、年末には施行される予定。違反すれば軽犯罪とみなされ、最高で1000ドル(約12万円)の罰金と90日の服役が科される。
米国内でも国旗は作られているが、米国勢調査局によると、昨年輸入された国旗は530万ドル(約6億4千万円)に及ぶという。そのほとんどが中国製である。
国旗は“国内産”とするニュースを報道した米ABCテレビのホームページの市民コメント欄には、賛否多くの意見が寄せられている。
「中国製のラベルの付いた米国旗を揚げるとは、偽善者だ。そのような行為は、国旗を地面に落とし踏みつけるようなものだ。もし中国製のを持っていれば、すぐに燃やすべき。というのも、中国製の国旗を揚げるのは、国旗を燃やすのと同じく冒涜行為だから」
これに対し、「ばかげている。こんなことが法案化されるとは信じられない。決めなきゃいけないもっと大事ことがあるだろうに」という声もある。
首都ワシントンにあるリベラル系シンクタンク、ブルッキングズ研究所 のロバート・リタン上級研究員は、このミネソタ州の動きについて「外国製に対する偏った見方が、米国内で現れつつあることを示している。他州もそれに続くのでは」と述べてる。
しかし、世界貿易機関(WTO)などの規定では、外国産に対して差別的な規制をかけることは違反とみなされており、各州の動きが思惑通り進むかは不明だ。
一方、アリゾナ州でも、先月国旗新法案が通過し、7月1日より全州公立の中・高校並びに大学のすべての教室に、米国製の国旗を取り付けることが制定された。またニュージャージー州やペンシルベニア 州でも、同様に米国製国旗法案成立へと動いている。
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