2007年07月22日17時27分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200707221727310
警戒心のない子供たちを児童ポルノの餌食に 研究者が警告
米国では、子供たちの間でインターネットは大きな娯楽であり、多くの子供たちはチャットルームで時間を過ごす。しかし、こうした子供たちの中には、ネット上で知り合った男性から性的な写真を送るように勧誘され、それに応じたケースも起きている。専門家は、子供たちの中には、ネット上で自分の写真を流す危険性をあまり感じていない傾向もあると警告している。(米アリゾナ州コングレス・マクレーン末子)
米紙USAトゥデーによると、ニューハンプシャー大学の「子供に対する犯罪研究センター」のキンバリー・ミッチェル教授(心理学)がネット上の子供たちへの勧誘の実態を調査した。05年に全米で行われ、対象は10歳から17歳まで1500人。
このうち136人の児童がソーシャル・ネットワークやチャットルームを通して知りあった男性から、写真を送るように勧誘されている。そのうち65人は、性的な写真を要求されている。実際一人はその要求に応じて、自分でポルノ写真を撮り送っている。しかし、性的な写真を要求された65人のうち、たった12%だけが警察などに連絡しているという。
ミッチェル教授は、児童ポルノの愛好者たちが求めるのは、少女や黒人の少年、肉体的・性的暴行の元被害者だと言う。「要求に応じて性的な写真を撮ること自体が、犯罪という意識は子供たちの中にはないようだ」と話す。
また、子供たちの3人に1人はネットサーフィングしている時、児童ポルノを見たことがあると回答し、子供たちは容易にポルノに晒されている事実を示している。
「子供の行方不明・被搾取国立センター 」によると、同センターで児童ポルノの犠牲者と確認された1100人のうち5%が自分でポルノ写真を撮影していた。また、同センターが過去9年間で受け取った子供搾取に関する50万の情報のうち89%はポルノが関係しているという。
専門家は児童ポルノの増加には、携帯カメラやウェブカメラの普及が、大きいとしている。人前ではなく、カメラの前で服を脱ぐことに、子供たちはさほどためらいを感じないのではと指摘している。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。