2007年07月30日21時47分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第58回:目的は手段を正当化しない

イラクでは自爆テロが相次ぎ、多くのイラク市民が犠牲になっている。「対テロ戦争」とやらを始めたブッシュ米大統領の罪は重い。勝利したはずのアフガンでもタリバンが勢いを取り戻し、戦闘は激化している。そんな中、当地でボランティア活動をしていた韓国人グループが武装集団に襲われ、拉致された。武装集団は彼らを人質とし、仲間の釈放と韓国軍の即時撤退を要求、拒否すれば人質を殺害すると警告した。そしてリーダーの牧師の遺体が発見された。いまだ22人の韓国の若者たち(多くが女性)が拘束されていて、最悪の事態になることもあり得る。戦闘地域へ行った彼らの自己責任だとか、キリスト教の布教活動だと反感を買ったのだという見方もある。さらに強大な軍事力に対して厳しいゲリラ戦を戦う武装集団には、通常のモラルが通じないことも確かである。だが、あえて言えば、いかに崇高な目的があっても、そのための手段が残忍で非人道的であるなら、目的も汚れたものになる。さらに、暴力というものは、それ自体が腐敗するものであることも強調しておきたい。(橋本勝) 


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