2007年08月28日10時42分掲載
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橋本勝21世紀風刺画日記
第62回:死刑制度存続のためには、吊るしまくるしかない
8月23日、3人の死刑が執行された。長勢法相はこれで就任以来10カ月の間に10人の死刑を実施したことになる。死刑制度は断固維持しなければならぬとの法の最高責任者の責務を懸命に果たしているというわけである。厳罰化の流れでこの数はさらに増えるであろう。彼らを獄中で病死させてはならない。死刑という罰を受けさせなければならない。国家としてはどんどん死刑を執行する必要がある。
だが死刑が国家による殺人であることは確かである。その「殺人」を実行しなければならぬ者にとっては辛い役目である。だから死刑のボタンを複数の看守が押すようにすることで、彼らの心が少しでも楽になるようにしている。そこで死刑の執行書にサインする法相も、誰を殺すのかに関して分からないようにしてやったらどうかと思う。すなわちアミダクジ方式で死刑を執行するのである。これなら自分の命令で誰が死ぬかを特定せずにすむ。さらに死刑という残虐な刑罰に「運」の要素を導入することで、その印象を弱めることができる。
国連での死刑廃止条約の採択、ヨーロッパのほとんどの国での死刑廃止と、世界が死刑制度の廃止に向かっている中で、先進国の中では米国(廃止している州もある)とともに、あくまで死刑制度を続けようとする日本である。このアミダクジ方式死刑は名案だとは思いませんか。(橋本勝)
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