2007年08月30日10時44分掲載
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国民戦線のルペン党首が仏のイラク支援を批判
フランスの極右政党・国民戦線の広報部によれば、ジャンマリー・ルペン党首はこのほど、ベルナール・クシュネル外相を「アメリカの政治家に成り下がっている。フランスの外務大臣ではない」「アメリカの忠犬であるイラクの現首脳らによる政治にフランスが加担する行為だ」「ただちに辞任すべきだ」などと非難した。(及川健二)
19日から3日間、イラクを訪問したクシュネル外相は、マリキ首相やタラバニ大統領と会談し、イラク復興のためにフランスが全面的に協力すると約束した。だが、ルペン氏はイラクの現体制へのフランスの支援は「百害あって一利なし。国益に反する行為だ」と断言した。
ルペン氏や国民戦線は2003年のイラク戦争には開戦前から一貫して反対し、同戦争を「米国によるイラクへの侵略行為だ」と弾劾してきた。国民戦線はフセイン政権の方が「マシだった」との立場を採っている。
同党ナンバー2のブルノー・ゴルニッシュ欧州議会議員は、次のような理由を挙げる。
「イラクは長い間、フセイン元大統領を頂点とする独裁体制だった。だが、政治的機構は政教分離を貫いていた。加えて、バース党はアラブ主義者だった。女性の社会進出は他のアラブ諸国にくらべてはるかに進み、キリスト教徒が信仰を持つ権利も認められていた」
さらに同議員は、フセイン政権下のイラクは「現在の“内戦”と呼ぶべき状況より、はるかに安定して平和な国だった」と述べた。
イラク情勢について国民戦線は、「侵略した米英両国が後始末をしなければならない。フランスは介入するべきではない」との立場を鮮明にしている。アメリカに配慮してイラクを支援しようとする親米路線のサルコジ政権に対して、今後も批判の声を強めていきそうだ。
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