2007年09月04日00時38分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第63回:死刑五輪、優勝するのはどこの国!?

 2008年に開催される北京五輪。中国としても国の威信をかけて成功させようとしている。だが、いくつかの厄介な問題が、例えば列に並ばないと行ったマナーの問題もあるが、国際的な批判を浴びているのが人権問題。中でも死刑問題ではヨーロッパの国々からの厳しい批判を浴びている。そんなこともあって中国共産党の機関紙「人民日報」の9月1日号が、今年上半期の死刑判決は減少していると報じている。しかし死刑執行の数などは明らかにしていない。ちなみにアムネスティによると、2006年の中国における死刑執行は1010人。もちろん確定された数字ではない。信頼すべき筋によると、処刑数は7000から8000人にものぼるという。驚くべき数である。 
 
 そこでどうだろう。死刑大国の中国として、2008年の北京五輪で、死刑制度の必要性を大いにアッピールしたらどうか。スタジアムで、最近あまり見られなくなった公開処刑を実施し、社会の治安、秩序を維持するための厳しい罰則の大切さを訴えるのである。これにはテロとの苛烈な戦いを続ける米国なども賛同するのではないか。スタジアムの観客席には、死刑存続国から、多数の応援団が押し寄せ、国旗を打ち振り「死刑サンセイ!」を連呼する。もちろん日本もその中にいる。そして死刑の数を競う。死刑五輪の優勝国には、開催国の中国がなったのは言うまでもない。(橋本勝) 


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