2007年09月26日10時45分掲載  無料記事
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欧州人権裁判所が仏同性婚を審理へ

   フランスの同性愛者向けの総合月刊誌「テテュ」(インターネット版)が25日に報じたところによれば、フランス南部ベーグル市が2004年6月5日に男性同士の結婚を認めたものの、最高裁が結婚を無効とする判決を下した事案について、欧州人権裁判所は判決が「人権侵害にあたるかどうか」審理することを決定したことが判明した。事件はステファン・シャパン氏とベルトラン・シャルパンティエ氏の男性2人のカップルが、「同性カップルの結婚合法化」を支持するノエル・マメール下院議員(緑の党)が市長を務めるベーグル市に婚姻届を提出したところ、マメール市長が結婚を承諾し、市長立ち会いの下、市庁舎で結婚式を行ったことに端を発する。( 及川健二) 
 
   この結婚は挙式前からメディアで大々的に報じられ、式当日には報道陣に加え、賛成派と反対派の人々が大挙し、市庁舎の外は一触即発の状態だった。式が終わると昼のニュースでその模様がトップで報じられ、翌日の新聞の一面を埋め、同性婚をめぐる議論が巻き起こった。マメール市長は違法な行為を行ったとして内務相によって停職1ヶ月の処分となり、この結婚の合法性をめぐる訴訟が起こされ、一審、二審につづいて、最高裁は2007年3月13日、「フランスの現行法では同性間の結婚は認められないため、結婚は無効である」という判決を下した。 
 
  そこで、2人が原告となって「最高裁判決は人権侵害に当たる」として欧州人権裁判所に訴え出た。同裁判所は欧州連合加盟国の人権侵害事件に対して判決を下す権限を有し、加盟国は判決を履行する義務がある。原告側の弁護士カロリーヌ・メカリ氏は上申書で「フランスの民法では男女間でのみ結婚が認められるという規定はどこにもない」と述べ、「憲法が認める原則的な価値観は、法の前における万人の平等という原則を保障し、(成人に達すれば)誰もが結婚できるという本質的な自由を認めている」と、結婚が適法だと訴える。 
 
  欧州人権裁判所がこの結婚が適法だと認めた場合、フランスでは同性間の結婚が合法となる。判決の行方に注目が集まる。 


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