2007年12月22日21時40分掲載
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捕鯨問題
豪政府が日本の調査捕鯨の監視を決定
オーストラリアのスミス外相とギャレット環境相は19日、ラッド首相の選挙公約どおり、南氷洋における日本の「調査捕鯨」の監視と違法性の証拠収集のために税関の巡視船を派遣すると発表した。この決定に環境保護団体は称賛の声をあげた。(アデレード=木村哲郎ティーグ)
グリーンピース・オーストラリア・パシフィックのスティーブ・シャルホーン事務局長は、「ラッド政権が捕鯨船団の活動を監視することで選挙公約を守り、グリーンピースは快く思っている」と述べた。
ただ、日本の調査捕鯨が今夏いっぱい行われるのに対し、オーストラリア政府による巡視船の活動期間は約20日間であることから、シャルホーン事務局長は「より長い時間監視をすれば、捕獲されるナガスクジラやザトウクジラが少なくなるのでは」と述べた。グリーンピースは19日、ニュージーランドのオークランドから抗議船エスぺランザを南氷洋に向け出港させている。
また環境保護団体の国際人道協会(HUMANE SOCIETY INTERNATIONAL)も、ラッド政権の決定を支持する声明を発表。同協会で野生生物生息プラグラムマネージャーを勤めるニコラ・ベイノンさんは「(今月初めまで11年間続いた)前政権とは異なり、ラッド政権が巡視船による監視を決めたことは大きな前進だと言える」と話した。しかしオーストラリア側の監視が日本の捕鯨船団にどのような影響力を及ぼすかについては「現時点では分からない」と述べ、今後の情勢を見守る必要性を示唆した。
町村官房長官はオーストラリアの決定について、同国における反捕鯨の民意を承知しているとしたうえで、「調査捕鯨の必要性は外交チャンネルを通じて、説明していきたい」と述べた。日本による南氷洋での今夏の「標本採集数」は、ミンククジラ850頭のほか、ナガスクジラ、ザトウクジラが各50頭となっている。
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