2007年12月27日22時31分掲載
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世代交代進まないインドネシア政界
【クアラルンプール24日=和田等】政界の世代交代を阻む「老害」問題がインドネシアでもささやかれている。ジャカルタのインドネシア研究所所属の政治アナリスト兼研究員のハンタ・ユダ氏はジャカルタ・ポストへの寄稿文の中で「2009年に実施される大統領選挙では新顔が登場する兆候がほとんど見えないので、相変わらぬ古い顔ぶれが大統領選挙を支配することになるだろう」との見方を示し、民主化は進んだが、国の指導者の世代交代の動きが活発化する気配がないと指摘している。08年5月には32年間続いたスハルト独裁体制崩壊から10周年を迎えるインドネシアで思わぬ弊害が現れているようだ。
ハンタ氏は、その一因として32年間続いたスハルト政権時代に、スハルト元大統領が若い世代の潜在的な指導者を放逐し、自身に忠誠を示す「イエスマン」だけを重用してきたことの後遺症に言及。さらに旧世代のエリートが各政党の重要なポストを占めていることが世代交代を阻む要因にあげた。
09年の大統領選挙に出馬するとみられる政治家の顔ぶれをみると、それが一目超然だ。インドネシアの世論調査機関が10月に実施した世論調査によれば、大統領候補として世論の支持を受けた候補者は次の7人だった。
■スシロ・バンバン・ユドヨノ現大統領(58、民主党党首)
■メガワティ・スカルノプトリ前大統領(62、闘争民主党党首)
■アミン・ライス国民信託党創設者(63)
■ウィラント将軍(退役、60)
■スルタン・ハメンク・ブウォノ・ジョグジャカルタ特別州知事(61)
■ユフフ・カラ副大統領(ゴルカル党首、65)
■スティヨソノ前ジャカルタ特別区知事(63、退役軍人)
いずれの政治家も日本では「老害」といわれるまでの年齢ではないが、ハンタ氏は古い世代の政治家が若い世代に機会を与えようとしていないことを「障害」と指摘。政党の重要なポストに出馬する候補者の年齢に上限を設けるべきであると主張している。
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