2008年01月17日12時25分掲載
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第60回ピースボートが出航 日本初の南極航路で温暖化の影響観察も
歴史の検証や国際交流をしながら地球一周するクルーズで知られるピースボート。設立から25年目の今年、第60回クルーズのトパーズ号が12日、横浜港大桟橋を出航した。今回の目玉は、温暖化の影響などを受けて変わりつつある南極に接近する地球一周航路。日本では初めての客船による南極航路航海となる。(加藤〈karibu〉宣子)
今回のクルーズは、香港、ダナン(ベトナム)、シンガポール、ポートビクトリア(セイシェル)、モンバサ(ケニア)、ケープタウン(南アフリカ)、ウォルビスベイ(ナミビア)、リオデジャネイロ(ブラジル)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、フォークランド、ウシュウアイア(アルゼンチン)、南極遊覧を経てプンタアナレス・ベルパライソ・イースター島(チリ)、パペーテ(タヒチ)、オークランド(ニュージーランド)、シドニー(オーストラリア)、ラバウル(パプアニューギニア)から横浜に帰航する108日間。寄港地各地で地球に触れ、環境問題や平和を考えるツアーを行う。
今回初めて訪れる南極大陸は、国際条約によって手厚い保護を受けどの国にも属さない「国境のない大陸」。氷の大地と透き通る海という圧倒的なまでの景観をもつ、青と白の世界だが、急激な地球温暖化によって、その景観が破壊されてゆく様を間近に見れるという。最近は、日本の捕鯨問題をめぐって議論を呼んでもいる。「南極の美しさから地球が数億年にわたって築き上げた「豊かさ」を知り、南極の危機から地球が直面する問題を考える場にしたい」というのが目的。
ピースボートは、その設立当初の理念であった歴史検証や国際交流と同時に、日本の船旅(クルーズ)業界を牽引する働きもしてきた。1983年設立後、アジア各地に戦跡などをめぐる航海を実施。1990年末から91年にかけてギリシャ発スエズ運河、パナマ運河を通る第1回地球一周を実施。94年には、日本発の地球一周クルーズを実施、サブサハラ・アフリカのケニア・モンバサやニューヨークに入港。1997年、日本初のアフリカ大陸南端および南米大陸南端を通る南回り航路をめぐった。その後、地球一周クルーズは30回に及び、乗船者の累計は5万人を超えたとも言われる。
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