2008年02月05日15時08分掲載  無料記事
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イスラム金融の専門家が不足

 利子収入を不労所得として禁止するイスラム金融が、石油価格急騰によるアラブ・イスラム産油国の資金量増大の追い風も受けて、活発化している。しかし、このまま右肩上がりで拡大を続けるには思わぬ隘路が待ち構えている。イスラム法やイスラム経済の専門家が少なく、実務経験を積んだプロが不足しているからだ。イスラム・オンラインがこのほど報じた。(齊藤力二朗) 
 
 著名な国際的銀行のイスラム金融部門の統括コンサルタントを務めるニザーム・ヤアクービー師はこのほど、ロイター通信に対し、イスラム金融への関心が高まり、イスラム法やイスラム経済を専攻した卒業生が不足していると語った。 
 
 経済専門家らはイスラム金融市場の規模を4734億5000万ユーロ(約7000万ドル)と見積もっており、毎年15%の割合で成長していると指摘し、2010年にはイスラム金融への総投資額は1兆ドルに上ると予想している。 
 
 しかし、アクーブ師によると、金融に関するイスラム法の裁定を国際的金融機関に示せる有資格者は、世界に50人から60人いるが、中東地域だけでその10倍は必要という。 
 
 これに関して評論家らは、「イスラム金融のコンサルタントとなるには、イスラム法と金融だけでは不十分で、法律や従来の金融制度にも通暁する必要がある」と強調する。 
 
 イスラム金融コンサルタント事務所「アル・シャリーア」のヤースィル・ダハラーウィー氏は、「専門家になるには博士号と数年間の業務経験が必要」と語る。イスラム経済研究者のマンスール・アフマド氏も、「技術面は比較的短期間に身に着けられるが、必要な経験を身に着けるのに15年から20年はかかる」という。 
 
 イスラム金融が拡大しているためロンドン会計学院は、イスラム金融の講座の設置を決め、諸大学と提携して同分野に従事する資格を認定する学位を与える意向だ。 


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