2008年02月06日23時57分掲載  無料記事
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カンボジア、マレーシアで言論の自由度が改善 国境なき記者団などのランキング上がる

 【クアラルンプール6日=和田等】カンボジアの人権団体アドホックはこのほど発表した2007年人権報告書で、07年のカンボジアの報道環境における言論および表現の自由度が前年より改善したと指摘、国境なき記者団(本部=パリ)による報道の自由ランキングでもカンボジアの順位は前年の108位から07年には85位に上昇したとの実例をあげている。またカンボジアには現在、22のラジオ局と7つのテレビ局が放送をおこなうなど、公共電波部門の開放も進んでいるとしている。オーストラリアの公共放送ABCが伝えた。 
 
 国境なき記者団は、07年にカンボジアは報道の自由に関する政策の実行に関してほかの東南アジア諸国を上回ったと指摘している。 
 
 一方でアドホックは、市民団体にはカンボジアでおこなわれている人権侵害に関する情報を広報するため国営ラジオ局を利用したり、人権に対する国民の意識を啓発するためにテレビやラジオでキャンペーンを実施することを認められていないのが現状であると指摘している。 
 
 マレーシアではマハティール政権初期に副首相を務めたムサ・ヒタム元副首相が2日、マラヤ大学同窓会の日のフォーラムにおいて、2003年に発足したアブドラ政権下においてマレーシア人は、マハティール前政権下と比べて言論や表現の自由をより多く享受していると指摘した。ムサ元副首相は「メディアは政府の過ちや失敗を報道することができるようになり、人びとは許可を得ないで街頭デモをおこなうことさえできるようになっている。マレーシア人は自分の意見を表現することに以前より不安を感じなくてもよくなっている」とも指摘した。 
 
 また、政府に批判的な人や野党がブログで政府批判をおこなっていることについてムサ元副首相は、「街頭デモに打って出ることや社会に危害を加え、混乱を引き起こすことなく、自分たちの怒りを吐き出す手段を提供しているのがデジタル・デモクラシーであり、ブログをそのデジタル・デモクラシーのひとつの形態として受け入れようではないか」と語った。 
 
 一方で元副首相は、「他人の意見に耳を傾け広く心を開くことは必要だが、民族間の反感を煽ったり特定の問題について感情的な議論を展開することや、それに過剰反応することを避けなければならない」と忠告した。 


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