2008年03月29日11時11分掲載
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タイでツーリスト・ポリスのボランティア養成を強化 外国人旅行者の殺人事件続発で
タイでこのところ外国人旅行者が殺害される事件が3件相次いで起こったことから、観光客の減少を懸念するタイ警察はプーケットなどの観光地の海岸のパトロール(巡回、警備)を支援するツーリスト・ポリスのボランティア養成の強化に乗り出した。(クアラルンプール=和田等)
2月にプーケットの海岸で日光浴をしていたスウェーデン人女性(27)が刺殺されたのに続き、北部の観光地チェンマイでは3月に米国人が射殺された。さらに別の観光地の海岸では、インド人旅行者(24)がけんかの仲裁に入ろうとして刺殺されるという事件が起こっている。
毎年内外から1800万人が観光地の海岸を訪問するなど、タイの旅行者数は急増している。このため、警察のツーリスト・ポリス部では海岸リゾートのパトロール要員が不足し、警察だけでは対応できない状況になっている。
タイ政府観光庁南部地域第4地区部のスワライ部長は、オーストラリアの公共放送ABCのインタビューに対して、こうした一連の事件や人員不足に対応するため、プーケットの警察からはプーケットでの安全性確保に向け地元住民の協力を得たいとの強い要請が寄せられていると語った。これを受けて、プーケットに住む外国人や地元住民を海岸や観光客の集まる場所をパトロールするボランティアとして募集し、警察が研修を施したうえでツーリスト・ポリスのボランティアとして養成することになった。
さらにツーリスト・ポリス部は、観光客が危険に瀕したと感じた際に周りの注意を引くことができるよう笛を観光客に配ることを計画している。
しかし、ツーリスト・ポリス本部に連絡したタイ在住日本人によれば、制服や交通費などすべて自己負担で、ボランティアにはほとんどメリットが感じられないなど、ボランティアに応募しにくい条件になっており、その克服が課題となっている。
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