2008年04月01日13時51分掲載
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米国人と日本人からのみ指紋と顔写真 入国時にオーストラリア、報復措置か
オーストラリア移民局は1日、オーストラリアを訪れる米国人と日本人に対し、入国審査のさいに指紋採取と顔写真撮影を義務付ける方針を明らかにした。移民局のレイトン・ウェバー局長は、米国人と日本人のみを対象とした新措置に関し「安全上の理由で導入を決定した過程を公にすることはできない」としているが、米国と日本の両国はオーストラリア人を含む外国人から入国時に指紋と顔写真を採取していることから、報復措置だと思われる。新システムは今月末の導入を目指すという。
またウェバー局長は、現在20豪ドル(約1800円)で発行している短期観光及び商用ビザを、米国人と日本人からは新システム導入の設備費を理由に現行の10倍である200豪ドル(約1万8000円)を徴収する考えを表明した。
入国審査の厳しいオーストラリアでは、ニュージランド国民を除き、いかなる国籍の者もビザが必要。短期のバカンスや出張でオーストラリアを訪れる米国人や日本人にとり痛手となりそうだ。
今回の決定に対し在オーストラリア日本国大使館当局者は「日米の2カ国のみを対象としていることから、普通に考えれば報復処置なのかもしれない」と述べたが、抗議の意を示すのか、という記者団からの質問に関しては、「詳細を調査したうえで判断をしたい」と言葉を濁した。
別の大使館当局者によると、現在、日本の外務省、法務省など関係当局と対応を緊急に協議中で、オーストラリア人だけは指紋採取と顔写真撮影を免除する「超法規的措置」も検討されているという。
なおニュージーランド移民局も現地時間の1日午後、オーストラリアと同じような新システム導入を検討していることを明らかにした。(ベリタ・フール通信)
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