2008年04月07日21時33分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第94回:靖国のマインドコントロールで死屍累々

 あの沖縄の少女暴行事件で、セカンドレイプ的記事を書いた「週刊新潮」がまたやってくれた。映画『靖国YASUKUNI』の上映中止問題だ。「週刊新潮」が「中国人監督の撮った反日的映画」と書いたことが発端で、それを問題視した弁護士出身の自民党の浜田朋美議員らが試写会を実施。それに触発された右翼の方々が、街宣車、電話、ネットでの抗議活動を活発化。かくて上映を予定していた映画館が、まわりに迷惑をかけるからと、次々と中止をきめたのだ。 
 
 このような露骨な「表現の自由」への弾圧に対しては断固戦っていく必要がある。 
 
 ただ映画『靖国』が、あくまでも中立的で決して反靖国ではないのに、上映中止にするのはおかしいという意見には賛成しかねる。それでは反靖国的なものは中止になっても仕方がないということになる。たとえ反靖国なものであってもその作品の「表現の自由」は守られるべきである。 
 
 たとえば「戦争を遂行する国家にとって、靖国は国民を戦争にかりたてるための精神的なる重要な役目を担っている」ということを表現しているわが漫画である。だがこの漫画が、大新聞に掲載されるようなことはないだろう。そう「表現の自由」をお題目的に掲げていてもしょうがない。あきらめることなく、しなやかに、したたかにやっていくこと。「表現の自由」は絶えざる抵抗により獲得していくものなのだ。(橋本勝) 


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