2008年04月21日21時16分掲載
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橋本勝21世紀風刺画日記
第96回:平均寿命縮小政策で生き残りをはかる国家とは
政治に無関心で、お上に従順なお人よしの日本人も、さすがに目を覚ましたのではないか。郵政民営化選挙で大勝した小泉政権が2006年に強行採決した「後期高齢者医療制度」が4月からスタートした。75歳以上の老人を冷酷に切り捨てようとする制度で、弱者を国家の厄介者あつかいする小泉政治の「改革」とやらの正体をものがたるものである。きびしい批判をあびて福田首相は名称の変更をはかるが、でもお金のない老人の長生きは許さないというこの制度にかわりはない。
平均寿命が80歳を越えるという、世界でもトップクラスの長寿を誇ってきた日本。だが国が支えるのは無理ということでの、平均寿命縮小政策である。75歳以上のお金のない老人は医療を受けにくくなり、家族の支援も期待できなくなる、そのため絶望して、自殺する老人が増加するかもしれない……ということで日本人の平均寿命は70歳くらいに一気に下落するだろう。日本が国際競争に生き抜いていくためには、格差社会の進行は止められないというのである。それは当然、寿命格差を生み出すことになる。
お金のあるなしで75歳以上の老人の生と死を選別する、老人ジェノサイドともいうべきこの制度こそ「長寿あきらめなさい、後期高齢者医療制度」なのである。そして、それは75歳以上の老人だけのことではない、国民すべてが対象となる。日本人よ、いつまでもお人よしでいるな、怒れ、日本人!!(橋本勝)
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