2008年04月24日13時27分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200804241327464

地盤沈下が深刻に ジャカルタ首都圏 地下水汲み上げでビル傾斜や洪水も

 【ジャカルタ新聞特約】高層ビル乱立に伴う地下水の汲み上げで、ジャカルタの地盤沈下が深刻化している。中央、西ジャカルタでは過去25年間で約2メートルも沈下した地域もある。地盤沈下でビルが傾いたり、河川の氾らん、洪水を引き起こしており、ジャカルタ州は地下水の違法な汲み上げを厳しくするなど対策に着手した。 
 
 ジャカルタ特別州鉱業局によると、地盤沈下が2メートルに達した地域は中央ジャカルタのクマヨラン西部、サワブサール東部、西ジャカルタのチェンカレン中部。 
 
 中央ジャカルタのスネン、チュンパカ・プティ、ガンビル、タナアバン、北ジャカルタのクラパ・ガディン、東ジャカルタのチャクン、プロガドゥン、西ジャカルタのクボンジュルック、タマン・サリでも1〜1・6メートルの地盤沈下が起きている。 
 
 地盤沈下はビルのひび割れの原因になり、ビルが傾いたケースもある。最近、中央ジャカルタのサリナデパートで入り口のATM棟の地盤が約五センチ沈降していたことが判明。近くの科学技術応用評価庁(BPPT)のビルでも、隣の宗教省の工事の影響で地盤が30〜40センチ沈下した。 
 
 バンドン工科大学(ITB)の調査によると、ジャカルタ首都圏では、パンタイ・ムティアラ、パンタイ・インダ・カプック、チェンカレン、ダアン・モゴット、トマン、クウィタンの地盤沈下が最もひどく、海抜ゼロメートル地帯が拡大し、年々、洪水被害が増えているという。 
 
 中央ジャカルタのサリナデパート入り口付近にあるATM(現金自動預払機)の置かれた建物が地盤沈下により傾斜していることが分かり、このほど、ATM機がデパート内に移動された。 
 
 サリナデパートは州当局の勧告に従い、ATM棟を補修、または立て直す計画。州当局はタムリン通りのほかのビルも傾斜していないか、順次、検査する。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。