2008年04月26日06時02分掲載  無料記事
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「ママとパパ」は同性愛者差別? 使用禁止要望、州教育省が退ける

「ママとパパ」や「彼女と彼氏」など、異性愛者のパートナーを表現する言葉が同性愛者差別にあたるとして、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の公立学校で使用禁止を求める声が上がっていた問題で、同州の教育省はこのほど、従来通りの言語使用を決定した。(アデレード=木村哲郎ティーグ) 
 
 オーストラリア国内での報道によると、同州教育省には、「ママとパパ」などに代わり、同性愛者の“夫婦”などを指すこともできる「パートナー」を使うべきだと声が寄せられていたが、同省のマイケル・クーツトロッター長官は「州内の公立学校は、宗教、人種、障害、性別、(同性愛などの)性的趣向などによるいかなる差別も行っていない」とし、公立学校では引き続き、ママ、パパ、彼女、彼氏など、異性愛のパートナーを指す用語を使用することを認める通達をした。 
 
 ただ、クーツトロッター長官は、「子どもたちはいじめなどから守られるべきだ」とも話し、どのような用語の使用が、学校内での差別にならないかの調査を止めることはないとした。 
 
 ニューサウスウェールズ州の州都シドニーは、世界で有数の同性愛者人口の多い都市ともいわれるが、今回の使用禁止を求める声に対し、市民の間からは「なぜマジョリティーが『差別』されなければならないのか」「行き過ぎなのでは」との意見が多く出ている。 


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