2008年04月28日17時36分掲載
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JI幹部の脱走事件で独立委員会が報告書を公表
【星日報特約27日】東南アジアのテロ組織ジェマア・イスラミア(JI)の幹部マス・スラマット・カスタリ容疑者がシンガポールの拘置所から脱走した事件で、原因究明をしていた独立委員会は21日、報告書を公表した。
この中で同容疑者がウィット二ーロード拘置所からどのように逃げ出したのかを詳細に報告している。これによると、同容疑者は2月27日午後3時54分から4時5分の間に脱走した。この日は週一回の家族と面会する予定になっていた同容疑者は、警備員2人の同行の下、同拘置所内の独房から家族と面会する部屋に連れていかれた。家族と面会するには拘置所内で規定されている衣服から私服に着替えることになっており、着替えが終わった後に同容疑者はトイレに行きたいと警備員に申し出、警備員は家族との面会所の隣にトレイに入った。
その後、トイレの個室のドアを閉めて、同容疑者はそのまま行方をくらました。警備員は個室の前とトイレの外にいたが、10分経って「トイレが長い」と感じた警備員は声をかけるが返答がなく、個室のドアをこじ開けると換気用に設置されていた窓が開いていたという。窓には格子が設置されていなかった。
同容疑者はその後、窓から外に出て水道管を伝って下に降りたとみられる。水道管には同容疑者が触った跡にできたと見られる汚れが見つかっている。家族との面会所の裏に出た同容疑者はそこから封鎖されていた階段の屋根に上がってそこからフェンスに飛び移り、外に逃げた。
現場検証で職員がこれを試したところ、わずか2分44秒で外に出られたという。トイレに入ってから警備員が逃げたことに気付くまでの11分は、同容疑者にとって逃げるには十分の時間だったと結論付けた。さらに、トイレの外では2台の監視カメラが作動していたが、誰も映像を監視している者がいなかったのが原因の一つとしている。
同容疑者は脱走を図る前にすでに入念に計画していたとみられ、家族と面会する前にはしばしばトイレの個室に入っていたという。
同報告書ではまた、拘置所での改善策も提示。違う指揮系統の警備員同士の意思疎通がうまくいっていなかったことや拘置所内のシステムチェック、チャンギ刑務所の建設など10項目を挙げた。
この報告書は4月10日に内務省に提出され、ウォン・カンセン副首相兼内相が国会に21日に報告した。
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