2008年06月06日14時50分掲載
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昨年のマレーシアでの犯罪届け出件数、前年比5.5%増加
【クアラルンプール6日=和田等】マレーシア警察の犯罪統計によれば、2007年の犯罪届け出件数は前年比5.5%増の20万9559件となり、初めて20万件を超えた。事件解決率は、2005年の48.4%から06年には36.9%に大幅に下がり、07年には39%にまで上がったものの、依然5件のうち3件以上が未解決という憂慮すべき状況が続いている。犯罪増とそれに対して警察が有効な手を打ち出せないでいることも、先の総選挙での与党の議席大幅減の一因となった。
犯罪種別でみると殺人は前年の604件に比べ588件に減ったが、武器使用の集団強盗が68件から77件、武器なしの集団強盗が2658件から7067件に急増するなど、強盗の増加が目立っている。
レイプが前年の2435件から3177件と増えているほか、家宅侵入が前年比23%増、ひったくりが16.5%増に増えている。
ひったくり事件に対してマレーシア政府は昨年9月に、ひったくりを強盗に定義づけし直し、最高刑をこれまでの7年から14年に引き上げた。
強盗やひったくりは、ほぼ間違いなく被害届けが出されることから、犯罪統計の専門家の間では、治安状況を推し量る「指標」にされることが多い。
マレーシア人の間では犯罪増による治安の悪化に対する懸念が高まっており、警察の犯罪解決能力の欠如や政府の無策への不満が、さきの総選挙での与党連合・国民戦線の大幅な議席減の一因となったと分析されている。
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