2008年06月16日02時06分掲載  無料記事
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シンガポール映画「マイ・マジック」がカンヌで奮闘

  【星日報特約15日】シンガポール映画『マイ・マジック』(エリック・クー監督)が、さきごろ開催された2008年カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールに、シンガポール映画としては初めてノミネートされた。受賞は逃したものの、タミール語と英語で展開される場面構成やドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜた内容が、各国のメディアの注目を集めた。 
 
 この作品は世界各国4000本の作品群の中から選ばれノミネートされた。映画のストーリーは、かつて手品師だった父親と子供の親子愛を描いた。予算確保の都合でわずか9日間で制作された。 
 
 「マイ・マジック」の主演男優で実際に手品師を本業にするボスコ・フランシスは、映画初出演ながらその演技は多くの映画業界関係者から高く評価された。カンヌでの映画上映会でも、2000人の入場者を前にボスコ・フランシスは手品を披露して会場を湧かせた。 
 
 ボスコ・フランシスと長年の友人であるクー監督は 「フランスの各メディアはボスコに主演男優賞を与えるべきだったと伝えている。ある雑誌では審査員の力量不足では、と伝えている」と悔しさをにじませた。 
 
 しかし、映画小国シンガポールの作品がノミネートされたことにより、同国の映画産業にとって明るい兆しをもたらしたといえる。 
 
 業界関係者は今回のノミネートで、新たな映画スポンサーの開拓が容易になると話している。シンガポール映画委員会のケネス・タン会長も今回のノミネートについて「今後シンガポール映画が国際舞台に進出する大きな足がかりになるだろう」と語った。 
 
 シンガポールでは今年は、2007年の2倍の20作品が制作される見込み。「マイ・マジック」はインドやアルゼンチン、韓国など世界10カ国で上映される。シンガポールでは2009年末に封切り予定。 


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