2008年06月21日21時16分掲載
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’08 米大統領選
オバマ候補の経済政策チームは錚々たる新自由主義信奉者たち
経済格差の拡大が世界中で多数市民の貧困化を招いていることは、このサイト上で何度も論じられてきた。さて、現在のアメリカの大統領の有力候補のオバマ上院議員がイラク戦争やアメリカの経済問題にどのような考えを持ち、どのような政策を行なおうとしているかは、世界中の関心事である。ここでは、最近のナオミ・クライン女史の記事(AlterNet 2008.06.19)から、オバマ氏の経済面の考え方の一端を報告する。(バンクーバー=落合栄一郎)
周知のように、オバマ氏は、シカゴ大学の法科の教授を経験しているし、シカゴ大は、経済格差を生み出している新自由主義なる経済論の創始者ミルトン・フリードマンが教授をしていた所である。すなわちシカゴ大は、新自由主義の揺籃の地であり中心地であった。オバマ氏が、その影響をどの程度受けているかによって、彼が大統領になった場合にその経済政策が左右されるであろう。
ヒラリー・クリントン氏が敗北宣言して3日後のテレビの記者会見でオバマ氏は「私は、経済成長・自由市場経済賛成派である」と宣言した。そのうえ、ジェーソン・ファーマンを経済政策チームの主任に抜擢した。ファーマンは、世界最大の小売り業「ウオールマート」の数々の問題(従業員の待遇その他)で凄腕をふるって企業側を擁護したことで知られている。
また経済に関する最高顧問にシカゴ大の経済学教授オースタン・グールスビーを迎えている。グールスビーは、中道左派で、純粋な新自由主義には懐疑的ではあるらしいが。最大の後援者の一人は、ヘッジフンドの若い創立者/社長で億万長者のケン・グリンフィン氏である。
こうした錚々たる新自由主義信奉者達に囲まれているオバマ氏がどのような経済政策を展開するか(筆者は、オバマ氏が選挙戦で生き残った、または排除されなかった最大の理由は、体制側をイラツかせないからだという見解を先にこの欄で述べた)。
ところでシカゴ大の方はどうなっているか、その現状は興味深い。2006年にフリードマン教授が亡くなりその業績をたたえる盛大な記念行事が行なわれたそうである。しかし、その2年後の現在はかなり様変わりしているようである。シカゴ大学長(ロバート・ジマー)がこの5月中旬に、フリードマンを記念して、2億ドルの経済研究所の設立を発案したところ、100人ほどの教師陣からの抗議の手紙が届けられた。
その手紙は、新自由主義が必ずしもポジテイヴな面ばかりではなく、世界の人民にネガテイヴな影響を及ぼしているという内容のものであったらしい。あまり過激な指摘はなかったらしいが、シカゴ大でそのような正面切ったフリードマン批判は初めてらしい。
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