2008年07月07日20時45分掲載  無料記事
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G8

先住民族の価値観を尊重し持続可能な世界へ G8首脳へ先住民サミットが初の提言

  7月1日から平取町と札幌市で開催されていた「先住民サミット」アイヌモシリ(リは小文字)は、G8首脳および日本政府への先住民族からの提言を採択し、4日間の討議を終えた。G8首脳に向けた提言の序文では、「先住民族の価値観、宇宙観、哲学、伝統的な暮らしは、持続可能な世界につながる最も効果的な道筋である」とうたっている。G8サミットにあわせて先住民族が集まり、先住民族の立場から提言するのは今回がはじめて。会議には、最終的に12カ国22の先住民族が出席し、参加者はのべ1500人近くにのぼった。(札幌=木村嘉代子) 
 
 発表されたのは、G8首脳に対しての「二風谷宣言」、そして「日本政府への提言」の2部構成になっている。 
 
 「二風谷宣言」では世界の先住民族から21項目の要求がだされ、第1番目として、国連先住民族権利宣言の実現を求め、政府の開発援助や投資といった政策には宣言を主軸にすえて利用するよう促している。また、気候変動の緩和対策、生物学的な資源の保全、鉱物資源の採掘などの決定には、先住民族への情報公開はもちろん、同意や参加を実施することも強調している。 
 
 さらに、この宣言にまだ調印していないカナダ、米国、ロシア、ニュージーランド、オーストラリアへ圧力をかけることも盛り込まれている。 
 
 アイヌ民族から日本政府への提言では、最初に、法整備や行政レベルでの対応を求め、「過去のアイヌ政策を反省し、明確な言葉で公の場で謝罪することからはじめなければならない」と主張。政府が設置する予定の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」メンバー8人のなかにアイヌ民族の委員が1名しかいないことは認められないとし、少なくとも半数以上がアイヌ民族から選出されるよう求めた。 
 
 提言発表後に開かれた記者会見では、外国の通信社記者から、「G8の首脳はこの提言をまともに受け取ると思うか?」といった厳しい質問がでたが、それに対して、国連先住民族問題常設フォーラム議長のビクトリア・T・コープスは、「生物多様性条約を作るうえで、各国は先住民族との交渉を行った。もはや我々と交渉せざるをえない状況であるとわかっているはずだ」と回答した。 
 
提言は「先住民族サミット」のHPからダウンロードできる。 
http://www.ainumosir2008.com/news.html 


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