2008年08月20日12時38分掲載
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G8
G8サミットを問う札幌デモで逮捕された3人に不起訴処分 過剰警備に批判強まる
北海道洞爺湖で開かれたG8サミット(先進国首脳会議、7月7−日)に向け7月5日に札幌で行われた「チャレンジ・ザ・G8サミット・1万人のピースウォーク」で逮捕された4人のうち、勾留され、7月16日に処分保留のまま釈放されたサウンドデモの3人について、昨日8月18日に不起訴になったことがそれぞれの弁護士により確認された。洞爺湖サミットでは過剰警備が目立った。300億円の警備費が投入され、全国から21000人の警官を集めて、ホームレスの人や外国人への尋常でない職質、入管での入国拒否、市民生活の監視、が目についた。今回の逮捕劇もそうした過剰警備がつくりあげたものだという批判が市民グループやNGO諸団体から出ている。(大野和興)
処分決定は14日(木)だったが、連絡がきたのは18日(月)であった。札幌サウンドデモ7・5救援会は、「『不起訴処分要請書』に賛同を寄せた270団体をはじめ、この不当弾圧の行く末を注視してくださっていた全国のみなさまのおかげであると深く感謝し、あらためてG8サミットの過剰な警備体制、憲法で保障された表現の自由への侵害、そして3人の人権侵害を訴えたいと思います」という談話を発表した。
不起訴処分の主文は「起訴猶予」。無罪を意味する「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」ではない。救援会は「これは警察のメンツを立てたものと推察されます」としている。さらに、当初、7月いっぱいに処分決定と言われたものが担当検察官の不在と言う理由で8月14日まで延びた。救援会は「まったく不当な逮捕からきょうまで、3人が精神的にも、生活、仕事の面でもこうむった不利益、人権侵害を私たちは重く受け止めています」としている。
7月5日のピースウォークは、先進国だけで世界を決めるG8サミット(先進国首脳会議)に対し、そのあり方を問う内外の市民グループやNGO5000人が参加して行われた。デモ行進の途中、音楽を鳴らして歩くサウンドでもに参加していた3人と、それを撮影していた英国の通信社ロイター通信のカメラマンが公務執行妨害などで逮捕された。
逮捕の模様は以下で見ることが出来る。警官隊が音響機器をつんだ車の窓を叩き割り、運転手を引きずり出すなど、乱暴な逮捕劇が外国人記者の映像で見ることが出来る。(G8 Media Network TVから)。
http://tv.g8medianetwork.org/?q=ja/node/301
逮捕の不当性を訴える救援会の7月9日の記者会見は書きで見ることが出来る。
http://tv.g8medianetwork.org/?q=ja/node/376
逮捕後、ロイター記者は一足先に釈放されたが、サウンドデモに参加していた3人は16日まで拘留され、処分保留のまま釈放された。札幌地検は当初7月中に処分を決定するとしていたが、検察官不在を理由に現在まで引き伸ばされていた。
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