2008年09月13日17時05分掲載
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ビルマ民主化
軍政がスーチーさんの一部要求を認める 食料の受け取り拒否を停止か
ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんが食料の受け取りを拒否している問題で、顧問弁護士のチウィン氏は12日、軍事政権がスーチーさんの要求のいくつかを受け入れたことで、受け取りは再開される見通しとなったことを明らかにした。一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は同国の民主化の遅れにいらだちを見せ、「具体的な進展」に向け国連がひきつづき外交努力を進めると述べた。(永井浩)
AP電によると、認められた要求は、英国にいる二人の息子や親族からの手紙の受け取りと、タイムやニューズウィークなどの外国の刊行物購読という。中断していた、主治医による毎月のスーチーさんの健康診断も認められた。
またスーチー邸に住み込み彼女の身の回りの世話をしている二人の女性の行動の自由拡大も認められた。二人はこれまで外出を禁じられていたが、日中は許されることになった。
2003年以来3度目、計13年以上におよぶ自宅軟禁状態に置かれているスーチーさんは、自らが書記長を務める国民民主連盟(NLD)が配達する食料の受け取りを8月15日以来拒否してきた。理由は不明だが、軍政による不当軟禁への抗議や国連の民主化問題への取り組みに対する不満を示すものではないかと見られ、ハンストを行っているとのうわさも流れていた。このため、彼女の健康状態が心配されていた。
チウィン弁護士は今月1日、軟禁措置への不服申し立て状の文案を見せるためにスーチーさんと30分面会したあと、11日にも約2時間面会。その後、内務省に行った。
今回の措置は軍政側の一定の譲歩とみられるが、軍政はコメントを控えている。ただこれは、民主化問題の本質的な解決とは関係なく、スーチーさんの健康について内外の懸念が高まることを懸念した軍政の小手先の対応にすぎない。
この決定に先立つ11日、国連の潘事務総長は記者会見し、ガンバリ事務総長特別顧問が安保理で、先月のビルマ訪問が期待はずれに終わったと説明したことを明らかにした。ガンバリ氏は軍政とスーチーさんとの対話再開のため18日から23日まで滞在したが、軍政トップのタンシュエ議長ともスーチーさんとも面会できずに出国した。スーチーさんとの面会は彼女の側から拒否された。
潘総長は、「軍政側が実のある結果を示すことが緊急に求められている」と述べ、可能なすべての外交手段をつうじ民主化前進にむけて関係国と協議をすると言明した。
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