2008年09月27日10時39分掲載
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経済
危機の責任者を救済する米金融安定化法案 一般市民へのしわ寄せに怒りの声
現在アメリカ議会では、金融危機を回避するために、国民の税金から7千億ドル(約75兆円)を使おうという金融安定化法案が、財務省から提出されて議論されている。これには多くのアメリカ国民からの怒りの声が聞こえてくる。当然であろう。(バンクーバー=落合栄一郎)
少数の、金銭欲の塊である銀行・企業・投機家たちが、自らの悪行が引き起こしたこの金融危機は、彼らの責任によって解決すべきである。その解決が、彼らの全資産をなげうつことを必要するとしてもである。この危機の犠牲者である一般市民の苦痛の救済にこそ援助は向けられるべきであるのに、あろうことか、危機を引き起こし不当に儲けている少数者を救済しようとするのが、現在提出されている救済案である。
アメリカ国民の多くは、市場原理主義の経済下、健康保険もままならず(保険をもっていても、保険会社の意思の方が優先されまともな医療が受けられないことが多い)、一家で二人の収入でも生活が楽でない。それなのに、有り余る金をすでに持っている人間達を救済しようというのである。
インターネットを使って反対の意思を議員に知らせるとか、ウオール街での反対デモなどを通してアメリカ国民の怒りが爆発している。これが国会議員に十分なインパクトを与えて、現在提出されている法案を拒否できるか、重大な局面にある。
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