2008年10月13日10時31分掲載  無料記事
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世界経済

おとぎ話「サルの森と村人」

  いつの世か、猿が沢山増えて困っている村があったとさ。そこに、男がやって来て、村人達に、猿1匹につき10ドルで買い取ると申したとさ。村人達は、喜びいさんで、森に猿狩りに出かけた。男は、数千の猿を言った通り10ドルで買い上げた。しかしやがて、猿が少なくなったので、村人達は猿を取る努力をやめてしまった。 
 
 そこで男は、今度は20ドルで買い取るぞと村人をあおった。村人はまた森へ出かけ、猿を取ってきた。しかし、またまた猿の数が減って努力の甲斐がなくなると、村人は猿取りをやめてしまった。 
 
 今度は25ドル出すぞと男は言ったが、猿を捕まえるどころか、見ることもまれになってしまっていた。そこで、男は、50ドルにするぞと村人を督励した。彼はその後で、用事で町に行くが、その間、俺の助手が残って猿を買い取るからと言って、村を出て行った。 
 
 その助手は、男が町へ行っている間に、村人に言ったとさ:「あの男が買い取った猿があの大きな籠に入れてある。それを1匹35ドルで売ってやろう。あの男が帰って来たら、それを50ドルで買いとってもらえばよい。どうだうまい考えだろう。村人は、財産をはたいて我勝ちに猿を買い取った。 
 しかし、その後、その男も助手もどこへ行ったのか、とんと行方が知れなくなってしまったとさ。村はまた、元の猿の天国に戻ったのだ。 
 
(これは、AlterNet(2008.10.11)に投書の形でGiseleなる人物が書き入れたものの翻案である。落合栄一郎) 


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