2008年10月17日16時23分掲載
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橋本勝21世紀風刺画日記
第116回:素晴らしき、金持ちによる、金持ちだけの要塞の街、監視と警備は完璧です
数年おくれでアメリカをおいかけているというかマネをしているのが日本
そして格差大国のアメリカのように
急速に格差社会化が進む日本
ごく少数の大金持ちと圧倒的多数の貧乏人たち
持てるものたち上流階級の者たちは、とうぜん治安が心配
彼らにとって貧しい下流階級の人たちは
彼らの命と財産をおびやかす存在に思えてくる
そこでアメリカでは金持ちだけ集まってのコミュニティー作りがはじまる
完璧な管理と監視システムを構築、民間の警備会社が防備を担当
いうなれば金持ちたち上流階級の要塞化されたコミュニティーの出現である
そんなゲーテッド・コミュニティー(要塞の街)の日本版ができている
日本の場合は高級マンションの形であるが
厳重な管理と監視システムはアメリカなみでしかも住人は同じ金持ちばかりだから
安全、安心に暮らせるというわけである
そして階級の下の貧乏人たちとの接触は全くしないですむ
まさに格差社会の露骨なまでの具体化というわけである
これは少数の特権階級のお屋敷と、多数の貧しい人たちのスラムが
立ち並ぶ第3世界の光景を連想せずにはいられない
それは身分社会が固定化した中世の世界への逆行でもある
今のところ彼ら上流階級の人が、なによりも恐れているのは下の階級の人による「犯罪」だが
いずれ社会の根源的転換を図る「革命」を恐れるようになるのではないか……
20世紀、失敗、頓挫してしまった革命だが
人間らしく生きられる社会の破壊である格差社会がこのまま進行するなら
きっと21世紀には本当の革命がおこるぞ!と予告したい
(橋本勝)
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