2008年10月18日11時39分掲載
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生活
「磁気活水器」に水質改善効果なし 国民生活センターのテスト結果で判明
最近、浄水器同様の水質改善ができるうえ、フィルターの交換が不要という触れ込みで、「 磁気活水器」が盛んに販売されています。磁気活水器では、水道管や蛇口の外側に取り付けた磁石で「磁界によって水を活性化する」などとして、残留塩素やトリハロメタンの除去、「水がまろやかになる」など食味の向上などをうたっているものが多くみられます。(『消費者リポート』特約)
しかし、浄水器には家庭用品品質表示法に則った定義があり、性能に関する表示にはJIS規格に準じた試験を行なう必要があるなど一定の規制がありますが、磁気活水器には法的な規制がまったくありません。
そこで、国民生活センターでは、市販されている磁気活水器6銘柄について性能をテストし、2008年8月20目に結果を公表しました。
◆期待される性能まったくなし
結果によると、まず総トリハロメタン(クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム)の除去性能テストでは、すべての磁気活水器で取り付け前後に有意な差はなく、除去できませんでした。
加えて、「有機物等との化学結合を防ぐ」などとして、塩素のトリハロメタン生成能の低減をうたっていた「エコラスクリーン」と「スーパー六銘泉谷川BOX」についても、取り付け前後でトリハロメタン生成能に違いはありませんでした。
また、遊離残留塩素(消毒後に残る塩素の余分)についても、取り付け前後で濃度に違いはなく、除去できませんでした。
カルキ臭の原因となる塩素とアンモニア性窒素等が結合して発生する結合残留塩素(クロラミン類)も、すべてで取り付け前後の濃度に違いはなく、除去できませんでした。
結局、期待される性能は何もないということが、このテストで明らかになりました。そもそも、一切水に触れないのに水質改善ができるということ自体、眉唾なのです。
(吉村英二)
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