2008年11月03日13時34分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200811031334101
社会
広がる麻生首相宅見学ツアー逮捕への抗議活動 抗議声明も続々
格差と貧困を解決すべき麻生首相の“62億円豪邸“を見物するツアーで10月26日に逮捕された3人は、接見禁止処分を付けられ、今も留置場に身柄を拘束されている。ことの経過は、歩道を平穏に歩いていた参加者50人に突然警察が突入してきて3人を路上に組み伏せ連れ去ったというもの。3人についている罪状「公安条例違反」「公務執行妨害」というものだが、参加者が撮ったその時の映像には、逮捕理由となった「公務 執行妨害」行動はまったく見つけられない。ただ誰の邪魔にもならないプラカードを両手でかかげただけだ。そして、その逮捕されようとする参加者を助けようとした2人が逮捕された。以下、市民組織による声明を紹介する。6日には抗議集会も開かれる。(大野和興)
《その1》麻生でてこい!!リアリティツアー救援会
不当逮捕弾劾声明
10月26日、反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉のプレ企画として実施された「リアリティツアー2--62億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」にお いて、3人が逮捕され、現在も留置場に身柄を拘束されたままです。私たちはこの逮捕の不当性をここに明らかにするとともに、仲間を連れ去った警視庁公安部 および渋谷署に強く抗議します。
■リアリティツアーの目的
人材派遣会社社長の「ピンハネ御殿」を見学した第1回につづ き、今回のリアリティツアーは、その土地だけでも62億円ともいわれる麻生太郎氏の大豪邸を 眺めて帰る、というものでした。この、連日のように麻生首相の金銭感覚をめぐる報道がなされています、私たちにもたらされた貧困と格差を解決すべき立場にあるこの人物がどんな暮らしをしているのか、と。しかしこのツアーは、警察によって解散を余儀なくさせられたのです。
■不当逮捕の経緯
午後3時、渋谷警察警備課長は渋谷ハチ公前広場に集まった私たちに「歩道で行くぶんにはいいです」「麻生邸まで5、6名ずつ行く分には構わない」等の連 絡をしてきました。私たちは、3、40分ほど、ツアーの告知を行った後、およそ50名ほどで、歩道を歩き始めたのです。渋谷警察署との話し合いのとおり に、風船やプラカードを引き下げ、拡声器も使用せず。
そのわずか5分後、ゆっくりと道玄坂下にさしかかろうとしたそのときです。人ごみのなか、私たちのいちばん前の位置でツアープラカードを目印にもってい た仲間が腕をつかまれ、路上に組み伏せられました。警察は「いけ!いけ!コーボー!コーボー!」を合図にさらに2人の参加者を羽交い絞めにし、3名ともに 連れ去っていきました。報道では警察が「再三にわたり警告」したとされていますが、ツアー出発時をのぞいてそのような警告は受けていません。3名の逮捕理 由は公安条例(注)違反や公務執行妨害となっていますが、その事実がないことは、私たちが記録した映像にすべて明らかです。また、「参加者が警察に暴行を 加えた」といった報道は、警察の意図的な歪曲によるものです。参加者が警察に暴力をふるったという事実などいっさいありません。
■接見妨害と不当な10日間勾留
その後、3人が留置された渋谷警察署に、私たちは不当逮捕を弾劾するとともに、接見と差し入れを求めました。しかし同署は、接見禁止処分がだされていな いうちから面会を拒絶し差し入れも拒否しました。また5時ころ到着した弁護士に対しても接見を認めず、到着後2時間にわたって弁護士接見を妨害しました。 面会と差し入れが可能になったのは、午後7時を回ってからです。その後、28日になって3名には10日間の勾留と接見禁止処分がつけられました。警察は不当な弾圧を加えたばかりか、接見交通すら妨げ被疑者の法的権利をも公然と蹂躙し、不当な監禁状態を続けているのです。
このような非道を、私たちは絶対に許すことができません。
私たちには、いつから歩道を歩く権利がなくなったのでしょうか。数十名の警官に歩道を歩く私たちを過剰に規制させ、まるで予定していたかのように弾圧の命令を下したのは誰でしょうか?
虚偽の情報をマスコミに伝え、3人にありもしない罪を着せようとしているのは?
警察はいつもこのように、自分たちから仕掛けてきて、その禍いを私たちになすりつける。
麻生首相の豪邸を「見物」されることすらおそれる警察は、私たちの仲間の自由と生活を踏みにじることにはいっさい躊躇がない。
警察は麻生を守る。
ならば、私たちは私たちを守る。
怒りをこめて言う!
3人の仲間を、即時解放せよ!
ツアーへの不当弾圧を、謝罪せよ!
麻生太郎首相は部下の不始末の責任をとれ!
2008年10月29日
麻生でてこい!!リアリティツアー救援会
注)東京都公安条例は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」(憲法21条)」とした憲法に違反している。だがそ の条例においてすら「この条例の各規定は、第一条に定めた集会、集団行進及び集団示威行動以外に集会を行う権利を禁止し、若しくは制限し、又は、集会、政 治運動を監督し若しくはプラカード、出版物その他の文書図画を検閲する権限を公安委員会、警察職員又はその他の都吏員、区、市、町、村の吏員若しくは職員 に与えるものと解釈してはならない。」(第6条)としている。
わたしたち救援会は、ツアーにたいする今回の不当弾圧に断固抗議するとともに、3名の即時釈放を要求します。抗議声明への賛同をお願いいたします。
《その2》「リアリティー・ツアー」不当逮捕に抗議する
10月26日、大勢の人でごった返す昼間の渋谷のまちなかで、反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉2008のプレ企画としてあった麻生太郎邸拝見「リアリ ティ・ツアー」の参加者3人が逮捕された。警察権力は、まっとうな法的理由がなければどのような場にも介入などできない。そしてこの法的理由とは、デモや 集会ではほとんどの場合該当しないし、このツアーでも皆無だ。
「救援ブログ」によれば、渋谷警察署警備課は麻生邸の規制区域に近づいたら「5名ずつならば通す」と、主催者側にあらかじめ伝えてきたらしい。しかし、 平穏に歩いていた参加者50人に突然警察が突入してきて3人を路上に組み伏せ連れ去ったという。参加者が撮ったその時の映像には、逮捕理由となった「公務 執行妨害」行動はまったく見つけられない。ただ誰の邪魔にもならないプラカードを両手でかかげただけだ。そして、その逮捕されようとする参加者を助けよう とした2人が逮捕されたという。
3人についている罪状「公安条例違反」「公務執行妨害」にかかる行動がでっち上げであることを「救援ブログ」は訴えている。それによると警察は参加者の 移動について「デモ行進」とは認識していなかったし――実際デモではなくツアーなのだ――、中止を求める「再三の警告」もなかったという?た、一部で報道 されたという、参加者が「警察官を殴るなどした」「暴行を加えた」という事実は一切無い、と断言している。メディアはウソの警察情報だけで報道を行ってい るのだ。
格差と貧困を解決すべき首相の「豪邸」見物という、皮肉まじりの、しかし、現実にある格差を自分たちもリアルに感じようという企画は、文字どおり社会見 学ツアーであり、学習の場である。警察が出てこなければそれで終わったはずの行動なのだ。そのような企画を、警察権力は不当逮捕者を出してまでもつぶしに かかったのだ。権力の中心に向かうすべての言動は許さないといわんばかりだ。また、メディアが警察情報をそのまま流すことによって、でっち上げがあたかも 現実であるかのように流布してしまった。
シロをクロと言いくるめる権力を許し、その権力の意向どおりの報道がなされれば、私たちは権力の恣意のままに生かされ殺されるだけではないか。反戦ビラ をポストに入れ、あるいはまちなかでプラカードを掲げれば、でっち上げの罪状で逮捕される。すでに悪夢の時代だ。逮捕された3人には勾留がついた。こんな ことに勾留を請求する検察は悪質だが、それを認める裁判所の酷さはどうだ。本当にいい加減にしろ!だ。
私たちは、彼らの一刻も早い釈放を求め、渋谷警察署による不当逮捕と、でっち上げを追認した検察、裁判所による不当な権力行使、警察権力に与したメディア報道に抗議する。
抵抗者たちとともにある多くのみなさま、一緒に抗議の声をあげていきましょう。
2008年10月30日
反天皇制運動連絡会
《その3》抗議集会
「 でてこい3人! でてこい麻生!!」
麻生邸リアリティツアーの不当逮捕に抗議する集会
○日時:11月6日(木)19時〜
○場所:総評会館203号室(千代田区神田駿河台3−2−11 TEL03−
3253−1771)
■ 主催:麻生でてこい!! リアリティツアー救援会 ■
連絡先:asouq@sanpal.co.jp
blog:http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。